ハンデを強みに
インテリアデザイナー
視覚障害者の方々が今まで以上に活躍できる仕事を考え、思いついたのが、インテリアデザイナーだ。デザインする上での大事な観点として、家具等の配置により生まれる「安全性」や「快適性」がある。視覚障害者には、実体験に基づく知識と感性を生かして誰もがより快適に過ごせる空間を生み出すことができると思った。空間をデザインするにあたって、「色」や「形」を考える場面では、見えないならではの想像力を膨らませ、はっきりした色をたくさん使ったカラフルな空間や、ものの位置がはっきりとわかるよう色で区別できるような空間を提供し視覚障害の有無にかかわらず多様な期待に応えることができる。
また、見えないからこそ、色にこだわらない「家具の形」などを重視したシンプルな空間を作ることもできるかもしれない。優れた触覚を活かし、肌触りにこだわった快適な材質を選ぶことも可能だと思った。
また、部屋全体、家具などのカラーについては、カラーコーディネーターと協業しても良いし、衣類の色を認識できる、「触覚タグ」などの技術を組み合わせれば活躍できる仕事の分野はまだまだたくさんあると思う。やりたい職業を諦めることなく可能にできる技術、視覚障害者の方々が、ハンデとされていることを強みとして活かせる場が増えていけば本当に良いと思う。
審査員コメント
長く快適に過ごせるインテリアには、手触りや空間全体の立体的な整合性が大切だと感じています。視覚障害者が日常的に使っている触覚や空間把握能力を活用すれば、真に上質なものを提案できると思います。 いろいろな角度から分析を行っており、デザインの分野も視覚障害ならではの視点がいかせると感じました。また、協業することでビジネスチャンスも活かすことができ、このようなモデルがあると良いと思います。 |
プロフィール
滝浪 明莉
私は、視能訓練士を目指している専門学生です。自身の眼疾患時に眼科に受診した際、不安だった私に優しく接してくださった視能訓練士の方に憧れを抱き、視能訓練士を目指そうと思いました。いつか私も患者さんに安心感を与えられるようなコミュニケーション能力と、信頼される技術を身につけた視能訓練士になるために日々勉強を頑張っています。