失明後もベルギー・日本の美術教育誌を作成
~書名アートレシピを商標登録し販路拡大へ~

 本書で、美術作品の制作方法や体験の仕方をアートレシピと呼び、幼児~小学生を対象に材料の種類量と作成方法を紹介している。独自のアートレシピの語は特許庁より商標登録を2022年10月に獲得した。かつて教師時代1995年3月に横浜市教育委員会から発行した教育研究誌「中学生のための環境デザイン教育の実践と成果」を前身としている。私は2007年に行政より網膜の病気で中途失明の認定を受けたが、2016年まで教師の仕事を継続した。その後、2017年にユニバーサルデザイン研究室を立ち上げる準備をしていた時に、バンビーノ玩具社の坂東さん(現ベルギー取締役社長)と出会い支援を受け、子どものためのアートレシピ-環境と空間を作>成することなり、2022年2月教育誌として発行出来る運びとなった。西欧独特の環境に加え、日本の街並み(広島市・横浜市)を背景に協力者が現れたことで、人と自然・人とものの関係性を考える造形活動を紹介するグローバルでダイナミックな教育誌が完成した。

 
 

審査員コメント

 造形作家としての経験を生かして、視覚障害を持った子供も対象に含めた、子供のための美術教育の雑誌を出されているというのは興味深い。
 アートレシピという言葉を初めて知ったが、おもしろい発想だと思った。視覚に障害があるからこその発想であり、子どもたちがアートをより深く学ぶことができるものであり、ぜひ多くの方に知ってほしい。

プロフィール

 

鈴木 佐知子
1993年 横浜国立大学教育学部美術教育学科修士課程修了
1999年 東京学芸大学教育学部芸術学科博士課程修了

 大学美術教育学会会員、日本デザイン学会会員、日本美術教育連合会員、
 INSEA(国際美術教育連合会員、モダンアート協会会員、都立高校、
 横浜市立公立中勤務、
 現在はヨコハマSASユニバーサルデザイン研究室代表

おすすめの記事