就労経験を伝え、実際に会って話が聞ける
「視覚障害者就労事例データベース」

 視覚障害者となった時期や程度の異なる私たちは、日々様々な工夫を重ねて就労しています。しかし、実際の就労事例に触れる機会や発信する場は十分とはいえません。そこで、メンバーが個々の就労経験を伝えていくことに賛同し、思いを結集した事例集を作成しました。当事者、採用担当者、支援者に向けて情報を提供することが、視覚障害者就労相談人材バンクの重要な役割だと考えています。
 ホームページおよびデータベースの開設・更新は、専門知識を有する視覚障害者が中心となって行っています。事例集には2020年末現在、約90件の事例を掲載しています。六つの業種と七つの職種に分類し、キーワード検索にも対応しています。各事例ごとに性別・年代のほか、病名、見え方、業務内容、使用機器などを自らの言葉で記載しています。事例集を読み、直接話を聞いてみたい等の要望があれば、事務局でメンバーとのマッチングを無料で実施します。より詳しい仕事内容はもちろん、就職・転職・訓練など、就労に至るまでの過程や、就労を続けるための工夫など、経験者ならではの話題を提供します。ホームページやチラシを見て寄せられた就労相談、オンラインでのマッチング等、関西の枠を超えた活動を進めています。

審査員コメント

 視覚障害者が就労に結びつくためには十分な「情報」が必要です。採用担当者の方々が、色々な方の実際活躍されている事例に触れることにより、適職への配置や合理的配慮のために役立つ情報となると思いました。特に実際に会って生の話が聞けるシステムがすばらしいと思いました。データベース化することにより、情報を入手しやすく、理解しやすい方法を活用している点が大きく評価できます。

プロフィール

 

視覚障害者就労相談人材バンク
視覚障害当事者組織

 2017年、関西で発足した当事者組織。「私たちの就労経験を伝える」を活動のスローガンとして、社会の第一線で就労する(していた)視覚障害者約90名が登録している。
 2020年にホームページで就労事例集を公開し、主要な就労課題ごとの分科会や、就労経験を伝える書籍を発行している。

視覚障害者 就労相談人材バンクホームページ
https://shurojinzaibank.com/
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