【就労事例部門】入選①山元 正史

営業職が出来ないととらわれていた

 私は医療機器メーカーで営業職をしており、これまで車で移動をしていました。しかし、網膜色素変性症による視野狭窄で車の運転が出来なくなりました。営業は車で回るものと思い込んでいた私は退職を考えている事を上司に相談しました。すると上司から車が無理なら公共交通機関を利用したら回れるのではと提案されました。それなら出来るという事に気付き、今も営業職を継続しています。運転が出来る営業マンに比べると訪問件数も減ります。取引先の病院で視覚的な部分で粗相があるかもしれない事、訪問頻度が落ちる事など今の現状を正直に話しました。先生からは移動も大変だろうし、WEB面談やメールでの情報提供でも大丈夫だよと温かい言葉を掛けて頂きました。それでも自分の足で移動して直接訪問する事で、取引先との信頼関係構築に繋がっております。来るのが大変でも情報提供が無くなるのは困るとおっしゃる先生もいます。私の事を営業マンではなく一人の人として必要として見てくれているのだと思います。今では、最寄り駅まで代理店様が迎えに来てくれたり、協力者にも恵まれ感謝の気持ちでいっぱいです。周囲の方や環境などに感謝しながら一生懸命進んでいきたいです。

審査員コメント

 車を運転できなくなっても、公共交通機関を使って営業職を続けておられること、さらに営業成績を求めらる厳しい世界を逆手にとって頑張っていることが印象に残りました。
 視野狭窄が進行する中、営業職だったことから、仕事の継続については悩まれたことと思います。上司に相談することで、これまでのキャリアを活かしながらできることをやっていくという発想は、どんなことにも応用できるのではないでしょうか。

プロフィール

 

山元 正史
営業職での就労継続で悩んでいた際に視覚障害者就労相談人材バンク(SJB)に出会う。その際のご縁をきっかけに30代までの若者の相談や交流の場所として視覚障害者就労相談人材バンクの中にSJBクロスロードを立ち上げる。
ポジティブを押し付けるのでは無く、相手の悩んでいる時間を共有出来るようなピアサポートをしていきたい。

おすすめの記事