【就労事例部門】MEP賞①三好 直人

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カットをあきらめなければならなくなった僕にヘッドスパの転向を
考えてくれたオーナーに感謝

 東京の美容室、「Koo-rin」(クーリン)に勤務し5年が経ちました。15歳のときに網膜色素変性と診断され、その後アッシャー症候群ということがわかりました。先天性難聴もあり、補聴器もつけています。
 美容室に入ってから見えづらさが進行し、カットをあきらめることになりました。そんな僕に社長が、ヘッドスパへの転向を考えてくれました。
 しばらくは落ち込み、仕事を辞めることも考え、葛藤もありました。徐々にですが、病気をオープンにすることを心がけるようにしてから、理解してくれるスタッフやお客様が一人また一人と増え、今では働くことに生きがいというか、誰かの役に立っていることに生きがいを感じるようになりました。
 僕のヘッドスパを受けると、頭痛が吹っ飛ぶとの声もいただき、指名も少しずつ増えてきたことは、継続してよかったと思っています。
 また、病気を持つ当事者や親御さんからも相談をされることもあります。逆に僕も相談して、アドバイスをもらうこともあります。手を使うことは、眼の代わりになると教えてくれた人もいました。
 病気をきっかけに、オステオパシーやアーユルヴェーダなど健康に関することには興味があるので、これからも学びを続け、人を癒すことのできる唯一無二の存在になりたいと思っています。

審査員コメント

 難聴も伴うアッシャー症候群であること、病気をオープンにすることはとても勇気のいることです。美容室での就労をあきらめることなく、また、社長が理解をされて、そこから客様も含めた理解の輪が広がったことは素晴らしい。若い方が、やりたいことをあきらめることなく進み、それがまた周囲にも力を与えているのではないでしょうか。

プロフィール

 

三好 直人
15歳で網膜色素変性症、乳児期から先天性難聴があり、後にアッシャー症候群と判明。 
小・中はサッカー少年。高校ではスポーツは断念。 
カッコイイ美容師になるために美容師専門学校に入学。入学するも徐々に視野・視力ともに
悪化し、前代未聞の生徒となるが周囲の理解により奇跡的に美容師試験に合格。

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