ロービジョンの集い

1. 進学・進路について(氏間先生より)

  • 興味を持っていることを今の視機能を使ってやる。
  • どんなことであっても、ひとつのことを突きつめていく中で、外へ出ていく機会を持つことになり、つながりができる。追求していく中で「ひろってもらえる」チャンスがある。
  • 本人のやる気、成果が重要である。
  • 視覚障害者の仕事というと三療という印象があるが、それだけでなく教員も含めて資格・免許を持っていると困った時に資格を活かした仕事ができ、安心して好きな道に進むことができる。
  • 資格・免許は食べていくために必要なスキルとなり、進路の選択に余裕ができる。
  • 常識にとらわれてはいけない。これをやって何になるのか?と思うのではなく、自分の存在を知らせる、外界から刺激を受けて自分に足りないものに気づくチャンスになると考えるとよい。
  • 大学入試では拡大支援も始まり、受験方法を選択できるようになっている。将来的にはiPadなどを使った入試も考えられ、支援の幅がさらに広がるはず。
  • センター試験で支援を受けるには医師の診断書が必要なので、必要な情報をきちんと書いて説明してくれる医師を探すとよい。
  • 人と違う部分があると有利。何事も極めれば目が見えにくくても人生を開拓していける。

2. iPad・PCについて

  • パソコン技能、タッチタイピングの技能習得は必須である。
  • タッチタイピングができると晴眼者よりも早く打てるようになる。
  • タッチタイピングは1週間キーボードを見ないで打てば覚える。まずは、間違ってもキーボードを見ずに練習するのがコツ。
  • 今はできないと思っていても、能力を身につけていくには段差がある。その段差をなだらかにしていくのが教育であり、週1回だけやるよりも毎日10分でも15分でも続けることが大切。
  • 目が見えにくくなったらマウスは使用せずにキーボードだけで操作できるようにしておく。また、音声も併用すれば目を休めることができる。
  • パソコン技能は自分を売り込むツール。自分のポテンシャルを上げることができる。
  • 盲学校では自立活動として指導してもらえる。
  • 少なくともワード・エクセル・パワーポイントを使いこなせるように。仕事でよく使うソフトだが、これらを使えると考え方が共通なので他でも使える。
  • iPhoneは画面を大きくして見ることもできるがボイスオーバー(読み上げ)機能が最初からついているので便利。拡大機能は3本指でタッチするだけで簡単。
    高校・大学ではノートをとることにも活用できる。自分でやりたいことを調べると新たな機能を見つけることができる。新しい機能を使いこなしていくことでレベルアップにつながり、自分だけのノートを作成できるようになる。
  • 慣れてきたらトラブルも自分で調べて解決できるようになる。
  • タブレットとパソコンのいちばんの違いはキーボードがないこと。いきなりで敷居が高いと感じるようであればまずはスマホからスタートするのが良い。
  • iPhoneは画面を大きくして見ることもできるがボイスオーバー(読み上げ)機能が最初からついているので便利。拡大機能は3本指でタッチするだけで簡単。
  • パソコンはウィンドウズとMACがあるが、できたら実際に触れて試してみるとよい。音声ソフトの開発はウィンドウズのほうが進んでいる。どちらか一方が優れているというよりも、両方使っている人、使い分けている人が多い。
  • 日本語の音声対応を多用するならウィンドウズが主流。
  • MACではコマンドキーを押しながら文字の拡大・縮小が簡単にできる。
  • 普通校の授業でiPadの持ち込みについて、眼鏡と同じ感覚になってきている。
  • 授業中にもっとiPadを活用すべき。通常でも板書するのに必死で先生の話を集中して聞けないことが多い。板書は写真を撮るなど記録の道具としてiPadを利用し、授業中は先生の話に集中して内容を理解する。家では撮影したノートを見ながら復習すれば効率よく復習・学習できる。もっと積極的にICTを活用してほしい。
  • 会社では視覚障害者の退職後は誰も使わなくなるという懸念から、高価な拡大読書器は導入が躊躇されることがある。しかし、タブレットならだれでも使うことが可能で初期投資が少なくてすむ。すべての機能をタブレット一つでできるわけではないが、できることも多い(白黒反転・拡大縮小、辞書機能など)ので初めて導入するにはハードルが低い。
  • 現代社会は誰もが記憶能力を機械(スマホ・タブレットなど)に頼っている状態なのが当たり前なのでもっと活用すればいい。

3. 小学校の学習方法について

  • 見えにくいと「読む」ことに時間がかかる。また、漢字の学習がなかなか進まない。文字は抽象化された記号なので難しい。
  • 見えにくいと形態の知覚が不利。手で触って経験を深めることが限定的になっていく。
  • 墨字の拡大教科書を使っていても、実際に見やすいか、見える大きさで見えているか、環境が適しているか、書体は見やすいか(ゴシック体が良い)、文字が他の記号の中に埋もれて見にくくなっていないか、教材としてきちんと見せることが確保されているかチェックが必要。文字を書くときも鉛筆で書いて見えていなければ意味がない。
  • サンドライティング=指先が砂にあたってフィードバックがあるので、文字を触って感じることができる。書くときの状況がうまくいっているか精査する必要がある。
  • 触るものには触る積み木、立体コピーがあるが、文字を触って理解するには凸字と比べて凹字のほうが指が誘導されやすいのでわかりやすい。
  • まずは子供に向いている方法を見つけること。
  • 小1、小2で学習する簡単な漢字は、組み合わせて使用する漢字になることが多いのできちんと学習しておいた方が良い。
  • 読み書きを学習する手段は他にもあり、機械で読み書きすることが本人の理解・動機づけになることがある。まずは、読んでみたい、書いてみたいと思う楽しさを伝え、理解する喜びを経験し、知ってもらうことが大切。
  • 視力によってはルーペだけではしんどい場合もあり、拡大読書器やタブレットが必要になる。見えているはずと思って見ることを頑張りすぎるより、楽なほうがいい場合もある。見ることよりも学習することに注力できるようにタブレットの活用を考えてもいいのではないか。

4. 見え方について

  • 明るさ、暗さ、見える色は人によって様々で原因はわからないが日によって違うのは網膜の状態や体調、血流の変化によって変わると考えられる。
  • 明・暗順応も差がある。吹雪や砂嵐、もや、夕焼け、金色など見え方はいろいろあるが一般的に白く見える人が多い。
  • 色の区別がつきにくくなって、信号がわからなくなってきた。車の動きを見て信号を判断している。
  • 音声信号は警察署に陳情すればつけてもらえることもあるので、まずは相談するとよい。

5. 身体障害者手帳・年金について

  • 等級によって受けられるサービスが違う。
  • 子供が手帳を持っているが不利になったこと、失敗したと思ったことはない。むしろ、受けられる支援・サービスがあって便利。
  • 補助具・補装具が購入できてよかった。
  • 手帳を持っていることを知られたくなければ言わなければいいだけ。
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