【就労事例部門】入選①上原 晋

自分仕様の小さなチョコレート屋起業で11年!

 ショコラティエは何十種類かある原料用チョコレートを調合し溶かしテンパリングという技術を用いて様々な形に固め商品にする仕事。早朝自宅から15分歩いて出勤し、製造は全て一人で行います。妻が開店準備し接客販売をしますが、忙しければ私も接客します。品数は20アイテム前後で、年間を通して製造販売しております。チョコレートは視覚以外の感覚を活かし頭で味を想像する感覚重視の手仕事ですので私には夢であり天職でした。目が良い人が考えて作られたシステムではなく、目が悪い私がゼロから構築する自分仕様のシステムですから、全てが自分に扱いやすく、他人を気にせず思い通りチョコレート製造が行えます。コンタクトレンズの紛失や病状の悪化などで運転ができなくても、店を自宅や駅など徒歩圏内に設定したので問題はなく、四六時中妻も一緒ですから安心して家族経営ができます。
 誠実なもの作りができれば、品物がお客様を呼んでくれます。毎日大好きなチョコレートに包まれ仕事ができる今が幸せです。話せるチョコ屋というコンセプトで出張チョコ付き講話といった講演活動を延べ20回以上開催(勇気のでるチョコばなし)。

審査員コメント

 事業運営と自身の視覚障害との関連を冷静に分析して対応方法を生み出す過程が現実的であり、他の中途視覚障害者への参考となります。
 自分の好きな仕事をみつけ、自分なりの働き方を模索し、丁寧なモノづくりを徹底する。障がいの有無にかかわらず、上原さんの物語は、困難の中にあって道を模索し続けるすべての人にとって一つのロールモデルとなると思います。

プロフィール

 

上原 晋(すすむ)
手づくりショコラ工房アカリチョコレートオーナー

先天性強度近視で大人になったら手術しないと失明すると宣告された小学生時代。
夢は目が良くなる事と大好きなチョコレートが毎日食べられるお菓子屋さん。
見えにくいまま大人になり21歳の手術で失明は防げたが左目の視力がゼロに。
32歳の角膜移植成功で光が戻り脱サラし夢に向かい修業開始。2008起業。

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