【アイデア部門】入選③加々良 千世

視覚障害のあるアーティスト
~好きなことを諦めない~

 私は、絵を描くことが好きで絵を描いている時間は自分の世界に没頭でき、とても大切な時間ですし、気分転換にもなり気持ちを落ち着かせることができます。視覚障害の方で絵を描くことが好きで趣味だったけれど対象物や描いたものが見えないなどの理由で絵を描くことをやめてる人もいると思います。そのような方がまた絵を描くことができ、それを仕事にすることができればと思いました。タブレット端末などデジタルでは描きたいものの大きさや線の太さなどを自由に変えることができ、色を塗る際は水彩や油絵風の厚塗りなど多彩な表現が1つのソフトでできます。アナログで描く方法では、絵の具の線を立体化させ絵の具を重ねたり、色彩に応じて濃い色は大きな粒、薄い色は細かい粒など粒の大きさを変えることにより、手で触った時の感触で絵を描く方法があります。また、色ごとに匂いのついた絵の具があれば嗅覚により色の違いを見分け絵を描くことができるのではないでしょうか。視覚に頼らないイラストは、視覚障害の方もそうでない方も作品を視覚的だけではなく手の感触や匂いなどで全ての人が楽しめる作品を作ることができます。眼が見えないから諦めてしまったことでも視点を変えることで、できないことができるようになり好きなことを仕事にできるのではないでしょうか。

審査員コメント

 絵の具に匂いや触覚で色の違いをみせるという発想が面白かった。絵を描きたいと思っている視覚障害者もおられ、それで楽しめる人もいるかもしれないですね。

プロフィール

 

加々良 千世
東京医薬看護専門学校視能訓練士科2年生です。ゼミでロービジョンケアを専攻し、視覚障害について深く学び当事者の方とお会いしお話を伺い、将来視能訓練士として働く際にどのようなサポートができるか、なりたい視能訓練士像を考えるようになりました。

おすすめの記事