1. 見えにくさについて
- 視野10度くらいで周辺部は見えるが中心部が見えにくい。
→真ん中で見ようとするから見えない。視野の中でクリアに見える場所を見つけて、その部分で見るようにすればよい。うまく見るためには練習が必要。
→見える部分を見つけてうまく見れるようになった後、さらにルーペや拡大読書器を使うと1分間に150から200文字を読めるようになる。練習は最初しんどいが慣れたら楽に見ることができる。 - どこへ行けば教えてもらえるのか?
→偏心固視訓練は国立神戸視力障害センターで受けることができる。
→視力障害センターは入所だけでなく通所もあり、1週間に1日のみ受講など希望によってカリキュラムを組める。
国立神戸視力障害センター
(新しいタブで開きます) - 国立神戸視力障害センターのシステムはどんなものか?
→総合支援法に基づくもので、通所の場合は授業料7,000円のうち1割が自己負担となり、その他に食事代が必要となる。授業料は全日でも半日でも同料金となる。障害者手帳が必要で、役所で受給者証を発行してもらう必要があるので一度相談に行ったほうが良い。センターへの相談は電話で予約しておくと待ち時間が少なくて便利。 - 国立神戸視力障害センターの雰囲気は?
→現在、通所しているが先生が親切でとても楽しい。
→ホームルームの時間など、他の視覚障害者と交流、情報交換ができる。 - 国立神戸視力障害センターの特長は?
→道具を実際に触って実際に試すことができるので自分にあった装置や道具を見つけることができる。また、日常生活の中で自分がどんなことに困っているかを気づくことができ、その場で相談できる。
→センターまで来れない人には訪問相談も可能。まずは電話で相談を。 - 文字が書きにくくなった。
→筆が長くて書きにくい場合は半分に折ると書きやすくなる。
→文字の読み書きを音声パソコンで行う。パソコンは神戸アイライト協会で習うことができる。
神戸アイライト協会
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2. 白杖について
- つまづいたり、人にぶつかることがよくある。
→白杖を持っていると人がよけてくれる。声をかけてくれる。
→白杖でなく、普通の杖でもよけてくれたり、声をかけてくれる。
→白杖を持ってから階段は怖くないし、転んだことはない。 - 白杖を持っていると全盲と思われる。白杖を持っていて本を見ていると嘘つきと言われる。
→まだまだ一般に理解されていない。
→視野が10度と狭くても視力が1.0の人もいる。それを知ってもらうためにも白杖を持って本屋へ行き、本を買ったりしている。全盲だけでなく、ロービジョン者がいるということを世間に知らせる必要がある。 - 声をかけてもらえてうれしいが、優しさが負担になることもある。自分はしてもらうばかりで返せない。
→助けてもらったら、別の方法でお返しすればよい。例えば、事例報告などの情報提供もお返しの一つ。 - 白杖を持つことに抵抗がある。
→それは、自分の眼が見えないことを他人に知られたくないからだと思うが、他人は意外と気にしていない。 - 白杖を持ちたいと思っている。しかし、会社では理解されずに退職に追い込まれるかもしれないと思うと心配で持てない。
→会社の規模にもよるが、大企業や役所では障害者は手厚く保護される。法律の改正で一般企業の障害者雇用率が2.0%に引き上げられたこともあり、障害者(障害者手帳を持っている人)が就労していると喜ばれることがある。視覚障害があっても安全に通勤できるのであれば会社としてはOK。いちばん心配されるのは通勤時の事故による労災補償である。
3. 夜道の歩き方について
- 暗いところが苦手、車のヘッドライトがまぶしい。
→暗いところでも白杖を使った歩き方の技術を身につければ歩きやすく安全。
→フラッシュライト(強力ライト)は自分にあった明るさのものを使用するとよい。また、足元は白杖で探り、ライトは少し先にある目印になるものを照らして、そこを目指して歩くようにする。白杖を使ったらライトがなくても歩けた。 - トイレの中が暗い。
→家のトイレは広がりのあるLEDライトに変えたら明るく見やすくなった。
4. 公共交通機関の利用について
- 白杖を持っていると周囲は親切にしてくれる。
- 駅で目的地までのガイドを頼むと、各駅で電車を降りて改札まで、改札から自分の乗る電車までと連携して案内をしてくれるので乗り換えもスムース。
- 自分が最初に乗る駅でお願いすれば、あとは待たずに案内してもらえる。何も言わずに突然いくと人手が足りず待たされることがある。
- 交通機関と同様にデパートでも買い物の手伝いをしてくれる。