障害だって、その人の武器になる!
未来志向の働きかた、はじまっています。

これまで、視覚障害者をはじめとした障害者を雇用する企業は、「障害者は健常者と比べて、できないことがある」という考えが主流でした。もちろん、これは間違いではありません。補助具を使ったり、作業量・時間をおさえたりすることで、障害者にとって働きやすい環境を整えることができます。

その一方で、バリアバリューという考え方が出てきたのです。これは「障害もふくめ、その人の個性を弱点ではなく強みとして捉えよう」というまったく新しい考え方です。どんなものか、ちょっとワクワクしませんか?

このバリアバリューを軸に職能開発を行った事例も、さっそく届いています。
ふたつほどご紹介しますね。

ひとつめは視覚障害をもった看護師さんのケースです。従来では、数値データやカルテなどが読みづらいため、どうしても携われる仕事内容に制限がありました。そこへ、ある病院が視覚障害者に情報機器の扱い方を指導する担当者として採用してみたのです。そうしたところ、自身が日常的に使用している道具だからこそ、きめ細やかにサポートでき、まさに弱みを強みに転換できました。

次はさらに発想の進んだ事例です。企業のリラクゼーションルームで、従業員のストレスケアを担当する視覚障害者の社員。残念な現状ではありますが、視覚障害者はときに心ない言葉をかけられたり、生活の中で我慢が必要なことも少なくありません。こちらの企業では、こうした経験を人の悩みや苦しみに対して理解力・共感力が高いと捉えました。そして、マッサージもしつつ、社員のカウンセリングも行うストレスケアの窓口として仕事の幅を広げたのです。

バリアバリューがもっと浸透すれば、視覚障害者がこれまでなかった働き方が生まれるでしょう。ひとりひとりの能力を最大限に引き出せる、そんな社会をめざして、企業だけでなく私たちも新しい価値や可能性を見つけていきましょう。

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