【就労事例部門】入選⑩木村 朱美

届け!中央に。視覚障害者の熱い思い、
関西で視覚障害就労者への職業訓練創出をめざして

 実現に向けて、『視覚障害者就労相談人材バンク』の有志の仲間たちと歩き始めた。関西で就労中の多くの視覚障害者が在職中の職業訓練を望んでいるが、関西にはまだそのシステムが確立していない。視覚障害者にITの指導を行う講師の数と訓練に必要な予算がないからだ。
 予算を取るために、国会議員と地方議員の先生方と何度か会合を持った。調べた資料を片手にプレゼンテーション。思いが伝わり、現在、議員の先生方はそれぞれの道で動いてくださっている。
 しかし、国や地方自治体を動かすのは、当事者である自分たちの「働き続けたい」という熱意。先生方との懇談で私たちは強調した。「就労中の視覚障害者は納税者です。その納税者を絶やさないためにもぜひ、私たちに投資をしてください!」と。
 働き続けるために在職中に公費で職業訓練を受け、職業スキルを高め、企業に必要とされる人材になることがとても重要だ。投資さえあれば、もっともっと視覚障害者も輝くはず。その思いを国や地方自治体に必ず届ける。
 実現に向けて、どのようにしようかと悩んだ時、仲間たちが手を貸してくれた。だから進むんだ。希望の兆しを抱いて。必ず、実現する。失った光の向こうに描いた夢。関西で視覚障害者の職業訓練の実現を。

審査員コメント

 在職者訓練に積極的に取組み、自分たちの仕事として提供していこうという姿勢は素晴らしいものがあると思います。今後のご活躍に期待しています。

プロフィール

 

木村 朱美
音声起稿師、IT講師

第2子を出産後、網膜色素編成症に。視覚障害1級。見えない中での子育てに奮闘しながら、日本ライトハウス職業訓練部情報処理科でITの訓練を受ける。音声起稿師として大阪府等からテープ起こし業務を受注。視覚障害者にICT機器の指導も行う。アビリンピック京都大会銀賞受賞。

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