【就労事例部門】入選③日本コカ・コーラ株式会社

社内を超えて社会へ。視覚障害を持つ社員が
自ら周囲を巻き込み、大きな周知活動に。

 勤務先の日本コカ・コーラはオリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーであり、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。中途障害者になって初めて「見えづらい視覚障害者」の存在や、対応方法が理解されていないことを痛感し、この会社の社員だからこそ、社内にこの事実を知ってもらうために啓蒙活動を行ってきました。
 ①パラリンピック聖火リレーにランナーとして参加しました。白杖を持って走る姿を全世界に発信したことで、一人でも多くの方に何かを理解してもらえるきっかけになったと思っています。
 ②WeThe15という、国際パラリンピック委員会による「世界の15%は何らかの障害を抱えている」事実を啓蒙するキャンペーンがあり、日本コカ・コーラは、この主旨に賛同。コンテンツとして私の動画が制作され、働く視覚障害者のリアルな姿を発信することができました。
 ③社内報にインタビューを掲載していただいています。まだ1回目が配信されたところですが、働く上での困難や工夫、会社に期待するサポートなど、具体的な話をするためにも複数回継続発信する予定です。
 社内啓蒙活動が社外に向けても発信できたことで、小さな一歩が遥かに大きなステップになりました。今後も私たちロービジョンへの理解促進のため、自分にできることを自分にできる形で発信していきます。

審査員コメント

 「白杖を持った聖火ランナーから何かを理解してもらう」という、理屈を押し付けずに自由に感じ取ってほしいというスタンスが素敵。視覚障がいは多様であり、見え方や程度がひとりひとり異なるということは、あまり周知されていません。「見えづらさ」を抱える視覚障がい当事者として、オリ&パラ関連イベント等を通じて社内外に発信することで、障がいに対する理解拡大に貢献されました。

プロフィール

 

石黒 友子
東京都出身。

網膜色素変性症/アッシャー症候群により視野障害2級となる。
日本コカ・コーラ株式会社にて、マーケティング業務に従事。視力低下、視野狭窄、羞明、夜盲がある中で、様々なツールの活用や周囲の協力の下業務を継続中。

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