講師は視覚障害者。「手軽なアイデアクッキング」の開催
「お料理教室に通いたいけど先生も生徒さんも晴眼者なので自分には難しい。ついていけない。」と、全盲の方から言われたことがあります。そこで視覚障害者が視覚に頼らないレシピの開発を行ない、料理教室やお菓子教室の講師をすることを提案します。
講師はボランティアの方に最初に作業台の上にある調味料の配置などを教えてもらい確認しながら作業を行ないます。毎回同じ位置にしておくことが重要です。計量は計りで何グラムという計りかたではなく、計量カップ、大さじ、小さじなどを用いて計ります。なおかつ作りやすい分量でのレシピを開発します。例えば、小麦粉1カップ(110グラム)、砂糖大さじ3(27g)、バター大さじ1(12グラム)など。
コンロを使うのではなく電子レンジ調理や炊飯器でケーキを作るなど安全で簡単に調理できるレシピを考えます。そういったレシピは時短や節約にもつながり、高齢者や働くお母さんなど忙しい方にも使っていただけるレシピだと思いますので、たくさんの方に参加して頂けると思います。
視覚障害者がレシピを考え、講師を務めることで日頃の工夫やアイデアをより多くの視覚障害者や健常者に知ってもらえるチャンスだと思います。
審査員コメント
弱視者が開く料理教室は、電子レンジや炊飯器でケーキを作るなど視覚障害者でも安全な調理方法を伝えることができるのは、いい観点の料理教室だと思います。実現可能性も高く、参加者も喜んでくれると思います。イベント的に行うのか継続していくのか事業化していくのかの議論は必要かと思います。 |
プロフィール
岡本 さやか
製菓アドバイザー、食育指導士、野菜ソムリエなど
大学卒業後、兵庫六甲農業協同組合で勤務。
食に関する資格を取得し、現在はレシピ開発の担当。
弱視の当事者として視覚に頼らず作れるレシピの提供や視覚障害者向けの料理教室の講師のボランティアも行っています。