教わった電話番号からつながった社会復帰
~当たり前ではなかった復職への流れ~

 退院する時に、とにかくここに電話してみてと一看護師から渡された電話番号がきっかけとなり支援につながり社会復帰し復職した事例。
 視覚に障害を負って、できないことや諦めることばかりの中、これからの人生をどうやって生きて行けばいいのか悩み、何の知識もなかった筆者が看護師から教わった電話番号へ電話をしたことがきっかけで、支援団体につながることができ、支援やサポートを知って、地域での訓練を受け、さらに国立障害者リハビリテーションセンターに入所し機能訓練を修了し復職へとつながりました。
 これが中途失明視覚障害者の当たり前の社会復帰の流れだと考えていた筆者が、社会復帰していろいろな方と関わる中で、当事者が支援施設につながるまでに数年かかる方がおられることも知りました。
 絶望し、会社を辞め、1度閉じこもってしまうとそこからでてくるには長い時間がかかります。筆者もそうなっていたかもしれません。
 現在は、講座やイベントやヨガクラスを開催してつながりを広める為の場作りや自分達のことを知ってもらう活動を行っております。閉じこもる方や悲しむ方をすこしでも少なくする為に。

審査員コメント

 適切なタイミングで適切な支援団体につながることで、生き生きと社会生活を続けられるのだということを証明してくれる素晴らしい事例です。医療関係者による視覚リハの情報提供がいかに重要なのかを改めて考えさせられました。
 人とつながっていく、情報を得て発信していくという心構えは全ての障害者に重要なこと。さあこれからというタイミングで今度は耳が聴こえなくなった時、そこでいじけなかったことに感動しました。

プロフィール

 

城谷 直人
会社員

1992年4月ヒロセ株式会社入社。設計、施工管理、営業を経験。
2011年2月血管新生緑内障と診断され手術を繰り返すが2012年5月全盲となる。
2012年9月より3月まで国立障害者リハビリテーションセンターに入所。機能訓練を修了。
2013年4月復職。現在は晴眼者時代の知識と経験と人脈を生かし営業補助として勤務の傍ら、NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会にて常任理事、視覚障害者向けヨガクラスを開催している一般社団法人チャレンジド・ヨガにて理事として活動中。

おすすめの記事