1. 盲学校・支援学校について
- 幼稚部、小学部、中学部、高等部、専修部(高卒者対象の理療科等)がある。
- 盲学校は全国に67校あり、兵庫県には県立と市立が1校ずつある。
- 神戸市内在住者は神戸市立盲学校、それ以外の兵庫県民は県立へ行くことになる。
- 兵庫県立視覚特別支援学校には寄宿舎がある。
兵庫県立視覚特別支援学校
(新しいタブで開きます) - 神戸市立盲学校に寄宿舎はないがスクールバスによる送迎あり(小学校まで)。
神戸市立盲学校
(新しいタブで開きます)
2. ひとみ教室(教育相談)について
- 無料で教育相談を行っている。
- 視覚障害に関する相談
学習や生活に関する相談は年齢を問わない。
まずは電話で相談。面接を希望する場合は日時調整の上、面接を行う。 -
通級(通学)による指導。
定期的に教室に通い、指導を受けることができる。指導をうけることができるのは、次のような内容。- レンズや拡大読書器など補助具の使い方
- 文字や地図など、見えにくいために学習が困難な教材の指導
- 日常の生活や動作、運動に関すること、その他
年間を通じていつでも入級でき、期間は必要に応じて決めることが可能。
- 盲学校の教師と通学している普通校の教師(担任)が連携・協力し、児童・生徒の指導にあたることができる。
- 見えにくい子供の対処法を普通校の教師は知らないことが多いので、見やすい色や大きさ、見やすい席などの情報を提供する。
- ひとみ学級では、最初から見えにくい人にはまずものをきれいに見せる。
→ものをきれいに見ることにより、もっと見たいという気持ちになり学習意欲が高まる。 - 見えにくさの原因となる「まぶしさ」がなかなか認識されていないことがある。
→子供はまぶしさのせいで見えにくくてもまぶしいとは言わず、サングラスをかけたり電気を消すだけ。
→親や周囲の人がそれに気づいて、まぶしさを軽減する道具を使ったり、環境を変えることで見え方が改善する。 - 見えにくい子供が苦手とする運動もひとみ教室で動きを知り、体験・練習し、身体で習得することで普通校での体育の授業も安全に運動することが可能になる。
→それは子供の「できる」という自信にもつながる。 - 見えにくい子供が苦手とする跳び箱もリズム、歩数、飛び板の位置などを確認し、跳び箱がどういう運動なのかイメージを膨らませることで恐怖心がなくなり、自然と身体が動くようになる。
- 同じように見えにくい子供が苦手な漢字も、書くのではなく言葉で説明して伝えることでイメージがわく。
- 火が怖いという子供には、実際に炎がどのように動くのか見せるために拡大して見せることで火がどのようなものか理解でき、恐怖心が軽減される。
- 平面の地図は分かりづらいのでジクソーパズルのようになった地図を用いて地図がどのようなものか触って練習する。
- 補助具の使い方を指導し、普通校に戻って一人で使えるように指導する。
- 普段はほぼマンツーマンで指導するが、学期中1度くらいは複数の子供たちに競争させ、時間を意識し、スピード感をつかむ指導を行っている。
→常に一人でやっているとスピードが速いか遅いかわからず、実際に使用する時に困ることがある。 - 普段はマンツーマンでの指導が多いが、同年齢の場合はグループで行うこともある。ゲーム感覚で競争するなど、お互いにいい刺激になる。
- 授業中子供たちは見ることに非常にエネルギーを使っているので、普段は親が一緒にいるが子供だけにして指導し、学習する環境を変えることもある。
親も子離れの練習になる。
3. 白杖について
- 学校内では白杖は使用しない。
- 中学生になったら、自立活動授業として白杖を持ち、点字ブロックに沿って歩く訓練がある。
- 子供たちは白杖をシンボルケーンとして持つことが多い。
- 幼稚園から外を歩く練習があるが白杖は持たない。
- 視野狭窄の人にとって、白杖の代わりになるものはない。
- 白杖はシンボルとして使用すると、人が避けてくれるので歩くときに楽になる。
- 子供が白杖を持つことについて、親の方も恥ずかしいと思うことがあった。
→白杖は見えない人が持つだけでなく、見えにくい人がシンボルとして持つことがあり、身を守る道具であることを一般の人にも理解してほしい。
4. 学校・訓練施設の違いと選び方
- 神戸視力障害センターは障害者手帳が必要で、視力などで入学が制限されることがある。
神戸視力障害センター
(新しいタブで開きます) - 神戸市立盲学校卒業後の進路は治療院や企業のヘルスキーパー、作業所、福祉施設など。進路指導あり。
- 高校卒業後就職せずに一般の大学や専門学校に入学する生徒もいる。
- パソコン(音声PC)の授業があり、基本的なことはマスターできる。
- 国家試験は難しいので、マッサージの試験を受けた後、もう一度鍼灸の試験を受ける人もいる。3年+3年で6年通学可能。
5. 障害に対する考え方
- 社会に出て周囲の理解を得られるようにPTAが教育委員会や政府に働きかける動きがある。合理的配慮。
- あなたは何をしたいのか? 私に何ができるのか?
→障害者と健常者がお互いに言い合える関係づくりを目指したい。ノーマライゼーション。 - 弁論大会で子供たちが活発に発言している。
→第53回近畿盲学校弁論大会では市盲の生徒が2位に入賞。
6. オープンキャンパス
- 平成27年9月29日(火)に開催。
7. その他
- 理療科の学生実習の名目で、一般市民が500円で治療が受けれる。
→理療進学を考える際に、実際に体験することで将来のイメージを描き勉学の意欲がわく。