英会話スクールの経営と講師 
〜中途半端♪視覚障害者〜

 プライベートで、英会話スクールを経営し講師として子供たちに英会話を教えています。網膜色素変性症で徐々に視野が狭まり、視力も低下し墨字はほぼ見えなくなりました。仕事の継続は難しいと考え思い悩みましたが、何度考えても出てきた答えは「私は子供たちに教えるのが好きだということです。子供たちとずっとかかわっていきたいと考えています。」その強い思いでした。しかし、現実的に何が出来るのか、どうすればよいのか。情報のない中途視覚障害者になった私にはどこに、誰に聞けばよいのか、なかなか情報に行き着けませんでした。
 そんな中、ようやく私の目のことを理解してくれたサポート団体との出会いにより英語点字と、音声PCに出会うことができました。「何ができる?」ではなくて「私は何をやりたいの?」からできる工夫に出会い仕事を続けることができました。好きなこと、やりたい事だから頑張れるし、楽しいと感じます。
 これからのミッションは、①英語を教えられる人材育成②英語を学ぶ以前にコミュニケーション力・自己表現力を高める場を作ること。それを可能にするには、私一人では難しいと思います。実現させるには法人団体や地域の人の協力も得ること。まずは私の存在を知ってもらい人脈を広げていくこと、そしてそれを形にして実現させることだと思います。社会全体で子供たちを育てていけるそんな取り組みを進めていきたいと考えています。

審査員コメント

 中途視覚障害で、日本語点字と英語点字を習われたということに敬意を表します。智子さんに出会い、智子さんから学んだ子どもたちは、きっと温かく、支え合うことのできる大人に成長することでしょう。何ができるのかではなく、何がしたいのかを突き詰めて考え、自分らしく英会話スクールの経営に邁進していらっしゃる姿に視覚障害者の社会参加を考える上での大きなヒントをいただきました。

プロフィール

 

吉永 智子
英会話スクールの経営、英会話講師

1989年.イギリス、ロンドンで英語。スイス、チューリッヒでドイツ語の二か国留学。
JTB添乗員、企業での通訳などを経て、2005年アメリカ人のダンナと英会話スクールを開校。
JICA、地域の国際交流協会などを通じ、海外からの医療従事者や学生などのホストファミリー。

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