【就労事例部門】MSP賞②山本 旭彦

「ひとみ元気教室」の授業で、健常者と障害者の相互理解を深める。

 『わかさ生活』では社会貢献活動の一環として、子どもたち(幼児〜小学生)に目の健康を伝える出張授業「ひとみ元気教室」を、2007年より実施しています。「食育」か「視育(目の健康について学ぶ)」のいずれかのテーマで行い、それに加えて、2012年より「健常者と障害者の相互理解を深める授業」も実施し、私はその講師を務めています。その授業では、視覚障害についての理解や、不便さを補うための日常の工夫、手引き体験・食事の配膳位置の伝え方などの実習を行っています。私の見え方を疑似体験してもらうことで、決まった支援のかたちではなく、障害者の要望に耳を傾ける大切さを実感してもらっています。体験した子どもからは、「日常生活のなかで自然と声かけや手引きができるようになった」という声が聞かれます。授業の最後には、「視覚障害者だけでなく、困っている人を見かけたら『何かお手伝いしましょうか?』と声がかけられる優しい心を持ってください」とメッセージしています。このような活動を、ヘルスキーパー(企業等に雇用され従業員等を対象に施術等を行う)として従事する傍ら、継続的に実施。17年より大人(企業)向けにも開催しています。

審査員コメント

障害の特性を生かし、授業に健常者と障害者のふれあいを取り入れていることに意義を感じました。フランクに声をかけるという姿勢が子どもに根付けば、社会はもっとよくなるはず。また、ヘルスキーパーだけでなく、ほかの活動への積極的な参加が、社内でのポジションの確立につながっているのでしょう。社内での評価にもつながればよりよいと思います。

プロフィール

 

山本 旭彦
株式会社わかさ生活

網膜色素変性症により視力が低下し、2001年にヘルスキーパーとしてわかさ生活に入社。業務の傍ら、12年より出張授業「ひとみ元気教室」で、子どもたちと視覚障害者の相互理解を深める授業の講師として活動をスタート。17年からは企業向けの授業も開催している。

おすすめの記事