【就労事例部門】MEP賞①前北 奈津子

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悲しみ乗り越えて。フィールドは変わっても対人支援のプロを目指し続ける!

 私は子供病院で大好きな看護師の仕事をしていましたが、急激な視覚障害の進行のため離職せざるを得ませんでした。しかし日本ライトハウスでの機能訓練後、再び対人援助者として働きたいと決意、福祉系国家資格取得を目指し大学に編入しました。社会福祉士・精神保健福祉士国家試験は全盲の場合、点字試験かデイジーによる音声受験のどちらかでしたが、それらの使用に習熟していなければ受験できません。周囲の協力を得ながら交渉した結果、音声パソコンによる受験で合格しました。現在は相談員の仕事をしながら大学院に通い、公認心理師国家試験の受験を予定しています。悲しみを乗り越えて、フィールドは変わっても対人支援のプロを目指し続けます!
 2001年に保健婦助産婦看護婦法が改正され、視覚障害があっても看護師として就労することが可能となりましたが、就労を継続できなかった人は少なくありません。視覚障害があっても、相談支援や情報提供、電話対応業務など看護師としてできることはあります。また他の専門資格と組み合わせることによって、更に可能性も広がります。視覚障害をもった看護師が、看護師として働き続けることが珍しくない日が来ることを願っています。

審査員コメント

 急激な眼疾患の進行に伴い、看護職を退職されました。しかしその後、対人援助に看護職との共通点を見出し、大学に編入して様々な資格を取得して経験を積み、大学院で学びを続けておられます。学ぶこと、スキルアップすることへの勇気と情熱が素晴らしい。彼女は「視覚障害を持つ看護師」ではなく「看護師がたまたま視覚障害を持っているだけ」なのだろう。

プロフィール

 

前北 奈津子
小児科看護師として勤務。眼疾患を発症、就労継続困難で退職。身体障害者手帳1種1級。神戸女子大学社会福祉学科に編入し、社会福祉士、精神保健福祉士の資格取得。指定特定相談支援事業所や大学の障害学生支援室に勤務、大学院での社会福祉の勉強も継続中。

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