培った経験や技能を生かして、本物の文化を残す編集者に。
先天白内障などによる眼疾患で弱視、就職するまでしばらくフリーライターをしていました。2017年、自費出版する書籍について相談していた『井上出版企画』(群馬県利根郡みなかみ町)の代表の目に留まり、入社。私は事務に加え、広報や既刊書籍の電子書籍化を担当しています。これまで一般企業に勤めていた経験や個人としてホームページを作成した経験があり、そのノウハウを仕事に生かせるのが私の強みです。
労働時間は、週30時間。フルタイムで働いて体調を崩すより、月給は高くなくてもしっかりと休養できる雇用条件の方が長く働き続けられてよいかなと思っています(生活に余裕ができたら、あらたに小説を書き始めたいとも思っています)。
『井上出版企画』の創業理念は、「本物の文化を残す」こと。そのためにも視覚障害者の文芸作品や、障害者福祉・障害児教育に長年携われてきた方によるノンフィクションの刊行をお手伝いできればと考えています。よい原稿が書けても、障害に引け目を感じて出版社に持ち込めないという視覚障害者の方もおられるのではないでしょうか。そんな方のお力添えになりたいです。
審査員コメント
視覚障害は移動が難しいため、地方での就労は都会に比べると難しいと言われていますが、出版業務とフリーライターという都会的な仕事を地方で行っていることに感銘を受けました。多様な働き方が求められているなか、これこそがユニバーサルな社会の働き方だと。近い将来、視覚障害の有名作家が生まれることに期待しています。 |
プロフィール
福島 憲太
株式会社井上出版企画
佛教大学卒業後、一般企業に10年間ほど勤め、フリーライターに。読売新聞、産経新聞などの新聞や雑誌に投稿記事が掲載される。『風疹をめぐる旅〜消される「子ども」・「笑われる」国〜』を井上出版企画から自費出版する予定。その打ち合わせ中、本への愛と情熱が代表の目に留まり、入社した。