視覚障害者就労促進事業
~全国どこでも質の高い職業訓練を~
全国どこでも視覚障害者に対するICT関係の質の高い職業訓練が公的な形で実施されるようになることを目的に、SPANが仙台、札幌、そして神戸で実施し、今年度も福岡で実施予定の事業です。具体的には、関係者を対象としたフォーラムと支援者を対象としたセミナーを開催した後、2日間(10時間)の職業講習を3回実施ました。
特に重視したのが「在職者への支援」と「高度な職業スキル」です。これらは、東京などの地域以外ではあまり実施されていないため、多くの視覚障害者が就労の現場で苦労しているほか、職場の上司・同僚の方も、職業スキル向上の方法や、担当させる業務などで戸惑いを感じているケースも少なくないと思います。そのため、職業訓練に対する視覚障害当事者のニーズは非常に高く、事業実施の中でも強い手ごたえを感じました。
充実した公的な職業訓練体制を作ることにより視覚障害者の職業スキルが向上することで、視覚障害者の就労は必ず進むと確信しています。
なお、この事業は、寄付などによる多くの方からの支援、各地域の団体の協力、そして、SPANが長年にわたり培った経験とスキルにより実現できました。
審査員コメント
北神さんのアイデアにもろ手を挙げて賛成です! 在職者支援はまだまだ一部でしか行われていません。さまざまな職場で即応できる技術力と、当事者の置かれている状況に対する適切な判断、そして上司や人事との交渉力が要求されます。何よりも当事者の就労がよりよいものになる方向で動かなければならない。全国どこでも質の高い職業訓練が受けられるようにという取組みは素晴らしい。 |
プロフィール
特定非営利活動法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN)
理事長 北神あきら
1999年の創立以来、視覚障害者および支援者を対象としたパソコン講習を実施しているほか、在職者訓練やジョブコーチ支援などの視覚障害者への就労支援活動を行っている。また、最新技術の普及活動やWebサイトによる情報発信も行っている。