未来を広げる
QRコード活用で見え方を可視化

 私が見ている世界を知ってほしい。
 視覚に障害のある人は一度はそう思ったことがあるかもしれません。
 私自身、弱視となり人に見え方を伝える難しさに直面し今も大きな課題です。

 白杖を使用していると全盲の方というイメージが未だ強く、白杖の必要性を感じた弱視の方が勇気を出して持ち始めても時に誤解をされ心ない言葉に傷ついたり、外出がしづらくなることもあります。使用の有無に関わらず困難が生じることに複雑な思いは拭えません。なぜ誤解が生まれるのか?それは見えにくさを抱える「弱視」の認知度の低さではないでしょうか。
 イメージを変えることや「理解」を得ることはそう簡単ではありません。
 そこで見方を変え、まずは「知る」を広めることにフォーカスし行動することが重要であると考えました。
 目の情報を画像や文字で集約、QRコード化し開示したい場所へ添付します。見え方の画像、視野、白杖・遮光眼鏡の使用状況、人の顔の認識は難しいなど...イラストを用いて分かりやすく表現することで、直接は伝えにくいけれど知ってもらいたい、障害について知ろうとしてくれる方にもさり気なく知ってもらうきっかけになればと思います。
 小さな取り組みを出来ることから少しづつ。「知ること」は理解に繋がる一歩です。

審査員コメント

 何を支援して欲しいのか、どのように支援すればいいのか、言葉で伝えても理解しにくいことが多いと思いますので、文字やイラストをQRコ-ド化することで、スム-ズに理解しあえるのではないかと思います。
 周囲に配慮を求めたい事柄は、人によって異なり、遠慮もあって人には伝えにくいものです。その情報をある程度集約し、QRコードでスマホで伝えることができれば、メリットがあるし、現実的だと思います。

プロフィール

 

工藤 愛美
網膜疾患による視力低下、視野狭窄の進行で弱視となる。
段々と見えにくくなっていく中で、気づき学んだことを力に変えていきたい。
職場での理解とサポートをいただき、現在は企業で内部監査を担当している。

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