メタバースを活用し視覚障害当事者の職域を拡大する
2021年頃からよく耳にするようになったメタバース。この仮想空間には、イン ターネットを通じてどこからでもアクセスできるため、肢体不自由など移動が困難な障害 を抱えてる方々も空間内にオフィスを構え活躍しています。 メタバースは同じように移動に困難さを抱える私たち視覚障害者にも大きな可能性のある空間です。 例えば、医療・教育に特化したコーチング活動中の私にとっては、地域を問わず、新規顧客を開拓できる事に。ヘルスキーパーとして、医療の技術や知識を保有している方も、実際に仮想空間内での施術は出来なくとも、仮想空間内で筋肉をほぐすための運動の仕方な どをアドバイスしたり、カウセリングやコーチングを習得すれば、心の凝りも解せる存在 になりうる事に。この例のみならず、みなさんが持っているスキルや才能をメタバース内で発揮することで、視覚障害に囚われない、新たな就労の可能性を広げられると信じてい ます。 ※現状、視覚障害へのアクセシビリティが無く、画面を見られなければ操作が難しいなどの 問題がありますが、「Virbela」の日本公式販売代理店の株式会社ガイアリンク取締役副社 長千野将氏と意見交換を行った結果、現在視覚障害アクセシビリティの準備が進められています。
審査員コメント
視覚障害者もメタバースの中で就労できるようにすべきというアイデア、実に夢があります。 アクセシビリティーがきちんと確保されれば、移動の負担や紙ベースの書類の読み書きが必要ないメタバースの世界は、視覚障害者にとっても「住みやすい社会」になる可能性があります。 メタバースの運営事業者に対して、早い段階から視覚障害者の存在をアピールしていく必要があるのではないでしょうか。 |
プロフィール
鱸 伸子
慶應義塾大学文学部卒。国際コーチング連盟プロフェッショ ナル認定コーチ/日本プロフェッショナル認定講師。 28歳でベーチェット病発症。2004年にオフィスSerendipityを開業。ゲーム感覚で「ミッション」を作成できる方法を開発。