【アイデア部門】入選①村井 薫

視覚障害者の集う場・働く場『ブラインドカフェ』

 私は40歳を過ぎてから視覚障害者の友人をもつ機会を得ました。彼女とおしゃべりしたり、出かけたり、食事をしたりする中で、彼女の元気の良さ・行動力に驚き、視覚障害者に対する私の固定観念が崩壊しました。そして、彼女のような元気で・お話上手で・朗らかな視覚障害者がたくさんいらっしゃることを知りました。彼女たちの望みや悩みを聞くうちに、「こんなふうに、視覚障害者の方々が、医療や行政に関わる方々・企業や研究機関の方々と、気軽に意見交換できる場があればいいのに」「そうすれば、視覚障害者自らがお願いや手続きに出向く必要がなくて、楽なのに」と考えるようになりました。
 『ブラインドカフェ』は、視覚障害者が集う場であり、働く場です。医療・行政・企業・研究機関の方々が訪れて、気軽に視覚障害者と意見交換をします。生徒・学生が訪れて、視覚障害者の方々が実施する授業や講座を受講し、視覚障害についての理解を深めます。視覚障害者のリハビリテーション施設、視覚障害者同士や家族の交流の場としても良いでしょう。ふらっとカフェに入ってきたお客さんが、視覚障害について学ぶきっかけになるかもしれません。カフェの運営を福祉事業所などに託せば、より幅広い交流の場として、社会全体のつながりを実現できそうです。

審査員コメント

 交流の場はいろいろなところにあると思いますが、視覚障害者の方が中心となって運営するカフェはあまりないのではないでしょうか。かしこまらずに雑談する中で視覚障害者の姿や能力を自然に知ってもらえるのは良いことです。
 視覚障害者ならではのセンスで居心地の良いカフェ空間を提供し、当事者も健常者も自然に足が向く憩いの場になればいいですね。

プロフィール

 

村井 薫
2017年、視覚障害者である林 由美子さんが石川県金沢市において活動を開始した「視覚障害者の働くを考える会」にボランティアとして参加するようになったこと、夫がロービジョンになったことをきっかけに、視覚障害者が生きがいをもって社会の中で生きることについて、真剣に具体的に考えるようになりました。

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