1. iPS細胞を用いた再生医療について(回答:高橋先生)
- 現在、進めている臨床研究の対象疾患は加齢黄斑変性。
- 網膜色素変性については5から10年の間に臨床研究を行う予定だが、最初は安全性の確認となる。最初は5人くらいの患者さんに移植する予定。効果としては視力よりも視野が広がることが期待されている。
- 治療法の開発を待つだけでなく、ロービジョンケアが重要だと考えるので、補助する道具や有用な情報を得て今できることをしてほしい。
2. サプリメントの効果について(回答:高橋先生)
- 目に良いとされるサプリメントの多くは科学的根拠のないものが多い。広告宣伝に惑わされないように。
- DHA、ビタミンA・B12、ルテイン、カルシウムはよいとされているが、これらは緑黄色野菜に多く含まれているので野菜ジュースを飲めばよい。
網膜再生医療研究開発
プロジェクト「網膜色素変性と
サプリメント」
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3. 携帯端末を持っているが使いすぎはよくないのか?(回答:高橋先生)
- 眼を使うことは問題なく、網膜には影響ない。
- ただし、強い光がまぶしければ遮光眼鏡を使用するとよい。
また、直射日光も遮光眼鏡をかけるなどして、できる範囲でブロックしたほうがよい。 - 遮光眼鏡を購入するときは、自分の見え方にあった色を選ぶように。
4. メガネは普段かけていないがかけたほうがよいか?(回答:高橋先生)
- かけたほうがよい。眼鏡をかけていないと自分の目視力の差がわからない。
- 視力は裸眼視力ではなく矯正視力が重要なので、常に矯正視力を見るように。
5. 何を情報収集すればいいかわからない
- 園さんのMLに登録すれば様々な種類の情報を得られる。
- 例えば、音声ガイド付き映画上映のお知らせなど。
- 希望者は園さんへ直接メールをすれば登録してもらえる。
6. 歩きにくい、段差がわかりにくい、人や車にぶつかりそうになる
- 白杖を持つと歩く時、ぶつかりにくくなり楽になった。
- 白杖を使い始めるときに歩行訓練を受けたほうがよい。
- 人にぶつかってケガをさせたとき、白杖を使っていれば罪に問われない。
- 道路交通法に目が見えにくい、見えない人は白杖を持つか盲導犬を連れていなければならないと定められている。
道路交通法抜粋
(目が見えない者、幼児、高齢者等の保護)
第十四条- 目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。
- 目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び政令で定める程度の身体の障害のある者を除く。)は、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める用具を付けた犬を連れて道路を通行してはならない。
- 自分だけでなく相手にけがをさせた時のために個人賠償責任保険に加入している。掛け捨てでひと月1,000円くらいから。対人・対物、自分のけがなどが保障される。
7. 就職活動をしたい
- 平成25年4月1日から障害者雇用率が引き上げられる。
- 民間企業 1.8%→2.0%
- 国・地方公共団体等 2.1%→2.3%
- 都道府県等の教育委員会 2.0%→2.2%
障害者枠があるので、場合によっては一般よりも就職しやすくなる可能性があり、自分で有利だと思う方を選択すればよい。
- 障害者枠で就職した場合、仕事を制限される可能性がある。特例子会社を持っている企業では、障害者に仕事を与えない(仕事がない)こともあり、本人がうつになるケースもある(ただし、給料はきちんともらえる)。
- 高齢・障害・求職者雇用支援機構で支援が受けられる。
高齢・障害・求職者
雇用支援機構
(新しいタブで開きます) - 就職先として半官半民がねらい目。
- 障害者手帳6級を持っていれば、ハローワークの集団面接会が受けられる。
- 公務員試験は一般で受けておいて、後からでも視覚障害があると申告すれば仕事内容を配慮してもらえる。仕事内容の制限を受けたくなければ、一般枠で普通の人と同じように働くことも可能。
- 視覚障害者の就労支援・相談は下記のところで受けられる。
HOTPOTの会
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クローバーの会
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タートルの会
(新しいタブで開きます) - 地方での就職が難しく、都会に出ていくことが多い。
- 大手企業、中小企業、地域差などで条件が大きく変わるので戦略を練ったほうがよい。急がば回れ、しっかり準備を。
8. 障害者手帳はどうやってもらうのか?
- 福祉事務所(福祉担当課)に行って書類をもらい、指定医に診断書・意見書を書いてもらって申請する。
- 手帳を持っているかどうかを職場などに申告する必要はない。
9. パソコンのマウスがみえにくい
- マウスを使用する場合、最初に矢印を見つけにくいことがある。その時は矢印を大きく表示、クロス、軌跡などの設定変更、クロスボールを使用するなど工夫する。
- パソコンは仕事だけでなく、生活にも役立つので必須。
- マウスを使わず、キーボード操作に慣れておくと、今より見えにくくなっても対応できる。
- 音声パソコンは見えている間に使い始めるとよい。
- パソコンについては見やすい文字色、背景色を自分で探す。白黒反転の白文字がまぶしく感じるなら薄いブルーやピンクに変更すればまぶしさが軽減できる。
- スクリーンリーダー(読み上げソフト)を使用しない人がいるが、見えにくい目で読もうとすると疲れるが聞くと疲れない。
- パソコン画面の設定を変えるとよい。背景を黒くすると目が楽になる。さらに、文字が読みづらくなったら音声パソコンを使えばよい。
10. 音声対応の便利グッズについて
- テレビが聞けるラジオが便利。ボタンが大きく操作しやすい。FM・AMも聞ける。視覚障害者には補助もあり。
- 三菱とパナソニックのテレビでは音声案内がついている。
11. 受けられる公的支援について
- 障害者総合支援法(平成25年4月1日施行)での解釈により難病の人で日常生活に支障はないが、医師が必要と認めた支援について診断書に記載されていれば支援を受けられることもある。
- 買い物などには同行援護というシステムを利用できる。
→県レベル、特定都市で認められれば障害者手帳を持っていなくても支援を受けられることがある。 - 自分に必要な支援を受けられるかどうか、どういう仕組みになっているのかを自分で調べて、役所でダメと言われる事例でも読みかえることができる条文等がないか検討しておくとよい。部局によって解釈が異なる場合があるのですぐにはあきらめないように。
- 日常生活で困っていることをまずは訴えることが必要。
- 補装具の補助について、これまで耐用年数が決まっており、壊れても新規購入ができなかったが、耐用年数にこだわらず柔軟に対応するようになり、必要な修理が可能となった。
12. 視覚障害者の障害は視覚だけでない
- 情報を得られない、得にくい情報障害もある。
- 視覚障害者は田舎には住めない。なぜなら、交通の便が悪く外出ができないから。ガイドがいれば外出も可能になるが、同行援護のシステムもない。これは、移動障害であり、行政が抱える大きな問題の一つ。
- 自立支援法、介護保険法などによる格差があるのも事実。
- 市町村により対応が異なる場合もある。