【就労事例部門】MSP賞②㈲オフィスSerendipity

患者経験を活かして医療コミュニケーション学を学び、医療・教育に特化したコーチとして日本の医療界・教育界に貢献

 コーチングを学び始めた頃は、pcは16フォントに拡大をすれば使えましたが、活字の読み書きは不自由になりました。それでも多数の研修会に参加する事で耳からコーチングを習得しました。国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチのライセンスを取得、2004年に起業し、全国の国公立病院や自治体や学校などに研修を実施しました。「コーチングで保健指導が楽しくなる!医療コーチングレッスン!」など10冊の著書も書きました。
 神奈川県立高校の養護教諭の方々による県西地区研究会でコーチングの考え方を取り入れた支援 保健室での取り組みからの助言者として関わりました。その他にも、東京都公立小学校に子供達が安心できるプラットフォーム創りに関わり、教師と保護者にコーチング術研修と管理栄養士による食の講演会を導入する事で生徒たちの暴力やいたずらを解消させた事例もあります。徳島県教育委員会主催で家庭教育コーチ養成講座プロジェクトにも関わりました。
 また、杏林大学保健学部救急救命士課程医療コミュニケーション学教室にてコーチング実習の導入の実証研究を2001年から7年半実施し日本臨床救急医学会に論文の執筆もしました。
 2008年より視力が低下しpcも使えなくなり不自由になり、かつ母の介護を7年半していたために仕事も縮小傾向になりました。再起を目指して2017年9月より東京視覚障害者生活支援センターに通所し機能訓練中です。

審査員コメント

 医療コミュニケーション術というものの内容がよくわかりませんでしたが、カウンセリングではコーチングの役割は高まっていると言われています。まだ、視覚障害者でコーチングを仕事としている人は多くないはずです。
 鱸さんのように、本人の抱いている問題に対して、他からのアドバイスを求めるのではなく、問いかけを通して本人自身が答えに辿り着く、それは真に問題解決に至る手法として貴重なものです。卓越した知識と経験をお持ちの方が、コーチングの分野で活躍してくださることは、今後、この分野を志す視覚障害者に大きな勇気と目標を与えることになるはずです。これからのご活躍を期待しています。

プロフィール

 

鱸 伸子
㈲オフィスSerendipity 代表取締役

通算9年米国と英国で生活した帰国子女。慶應義塾大学文学部卒。
30代で弱視になり、コーチングと出会い、大きな転機を迎える。
コーチングを習得する事で2004年より有限会社オフィス Serendipityを創立。
コーチングの国際ライセンスも取得し、医療・教育に特化したコーチとして活動中。

おすすめの記事