「視覚障害者ならでは」のデザイナー
 ~私も使いたくなる可愛いグッズ~

 私は両眼先天白内障です。手術、弱視治療を受け、現在視力は0.5前後の弱視です。私がやってみたいこと、こんなものがあったらいいな、の視点から、視覚障害者にしか出来ないデザイナーの仕事を考えました。視覚障害者用の補装具、日常生活用具、便利用品(白杖や拡大読書器など)を可愛いものにデザインする仕事です。
 今出ている視覚障害者用サポート用具は、正直可愛くないと思いました。中途視覚障害であると時に、見えなくなると強い恐怖や不安、絶望を感じます。
 それでも、受け入れなければならなくて、この時に少しでも可愛いサポート用具があれば、きっと気持ちが晴れてくれるのではないか、と考えました。
 しかし大切なことは、今までと同じように使えるかつ、可愛いものが使えることだと思うので、今までと同じように使えるという面で、視覚障害者本人にしか出来ない仕事だと思います。
 私は近くがとてもみえにくいので、ペンダント型ルーペを使用しています。とてもかわいいデザインで、アクセサリーのように使用でき、かつ使いやすくて気に入っています。
 このようなかわいいグッズを、視覚障害者の当事者の方に、沢山使ってもらいたいです。

審査員コメント

 使い勝手や安全性も考慮しながらトライすることは、利用者に楽しみや心のゆとりを与えます。
見えない、見えにくいからこそかわいい物、おしゃれな物を身に着けたいという気持ちに強く共感します。かわいいグッズは、気持ちを前向きにしてくれるのみならず、周囲の人たちとの話題作りにもなり、社会との接点になってくれます。健常者も思わず持ちたくなってしまうような視覚障害者用グッズを作っていただきたい。

プロフィール

 

小杉 舞奈菜
東京医薬専門学校 視能訓練士科2年。

幼少期より夢であった視能訓練士を目指し進学。昨年、眼内レンズ挿入術を受ける。術後炎症で一時両眼手動弁となり見えない恐怖を感じる。回復し、この経験からゼミでロービジョンを専攻。見えなくても出来ることは沢山あることを学ぶ。

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