第29回「家事や趣味を楽しむ集い」

1. 福祉制度について

  • 役所の間違いで補助制度を利用して福祉機器が購入できないことがあった。
  • 役所は間違いがあっても認めない。等級制限がないにも関わらず断られた。
    →窓口の担当者が必ずしも正しい情報を知っているとは限らず、福祉制度を熟知しているとは言えないので当事者(申請者)ができるだけ情報・知識を得た上で役所に行く方がよい。
    →当事者が窓口担当者に教えてあげられるくらいになればいい。
  • 市町村により、福祉機器の購入に等級制限をかけている場合がある。

2. 福祉機器と便利な道具について

  • 拡大読書器を使用すると自分が見やすい文字の大きさ・色(コントラスト・白黒反転)に調節できるので見えなかったものが見えるようになった。
  • 拡大読書器購入時は勧められたものではなく、実際に使ってみて自分が使いやすい見やすいものを選ぶと良い(機種によって差がある)。
  • 拡大読書器は普段の生活で活用するには1台では足りない。家、職場、外出用など使用場所・用途によって機種や使い方を変えたい。
  • 福祉制度では一人1台で8年経過しないと次が購入できないので自費での購入となる。
  • 視覚障害者の三種の神器は、拡大読書器・ルーペ・ICレコーダー。
  • 料理で便利なのは白黒まな板。
    →調理方法については生活訓練で習得可能。慣れとコツで料理はできるし、目を使わない方法もある。
  • 生活に便利なヒントを書いている書籍がある。
    →速水ひろし、きみこ著「キミちゃんのえがお」(神戸アイライト協会で購入可)。

3. 外出について

  • 金融機関など外出先で署名を求められることがある。
    →署名する場所をわかりやすくするためのガイドシートを利用すると良い。どうしても自分で書けない場合は代筆も可能。

4. 支援施設・訓練施設の特色について

  • 様々な支援施設、訓練施設があるがそれぞれに良い点・悪い点があるのではないか?
    →施設の良し悪しというよりも、全盲の方と弱視の方ではそれぞれ必要な支援やサービスが違い、必要とする環境整備も違ってくる。そのため、人によっては良い・悪いという評価になるのかもしれない。人それぞれにあった施設、支援・サービスを選択できるよう利用者も見学に行ったり、実際に利用された方に話を聞くなど情報を収集したうえで利用する施設を選ぶようにすると良い。
  • 少しさみしく感じるかもしれないが全盲の人には静かな環境の方が音や声が聞き取りやすく、生活しやすい。
    →音(反響)で現在地や距離を測っている。
    →逆に弱視の人は殺風景なところより、見えるところに人がいたり、生活音があるほうが安心するのかしれない。
  • 施設内では弱視の人は全盲の人に対して強者になる。
  • 施設では暴力もある。
    →それは施設の問題ではないのではないか?

5. 単独歩行について

  • 白杖を持ってよかったこと、嫌だったこと
    →白杖を折られたことがある(事故)。
    →嫌がらせを受けたり、暴言を吐かれたことがある。
    →白杖を持っていると声をかけてくれる、助けてもらえることが多い。
    →視野が狭くなっても足元を確認できる。
    →多くの人は下(足元)を見て歩くが、白杖を持っていれば足元は白杖で確認でき、見える人は前方や上方にあるサインや蛍光灯などを目印に歩くことができる。
    →白杖を持っていると人の優しさを感じることが多い。
  • 駅のホームで反対方向に来た電車と間違えてあわてて乗ろうとしてホームに転落した。慌てるのは厳禁。移動は余裕を持って。
  • 白杖を安全・便利に使いこなすためには歩行訓練を受けたほうが良い。使い方のコツやマナーがある。
    →歩行訓練の訪問指導事業があれば自宅で訓練が可能(兵庫県内は不十分だが、伊丹市等では可能)。
  • 声をかけてもらえる人とそうでない人がいる?
    →声をかけてもらいやすくしたり、こちらから声をかけても嫌がられないようにいつも清潔な服装を心掛けている。
  • 人にぶつかってけがをさせたり、物にぶつかって壊したときなど、白杖を持っていれば罪にはならない。
    →逆に見えない・見えにくい人が公道を歩くときは白杖を持つことを法律で定められている。
  • 個人賠償責任保険に入っておけば、対人・対物補償があり安心。
    →自分がけがをした時にも保険で通院・入院費用が出る。(備えあれば憂いなし)
  • 質問上手、お礼上手になろう。
    →助けられることが多い。ひと声かければ助けてくれる、日本の社会は基本的にやさしい。
    →「ありがとう」という一言が次につながる。

6. 情報について

  • 情報武装をしよう
    →視力障害者に限らず情報は強力な武器になる。
  • 意見や文句でなはなく提案しよう
    →知らない人がいたら提案すればよい。
  • 攻めの人生はプラス思考につながる。

7. 見えにくく、見えなくなって思ったことや考えたこと

  • 視覚障害者は他人に対して弱点をさらけ出していると言えるが、わかりあえる人と出会う機会を得られた(プラス志向)。
  • 見えにくくなって落ち込んだ時もあったが、受けとめて今を生きようと思った。
  • 病気が進行しないように薬膳料理を勉強しようと思った。
  • 見えていた時の昔の友達に会うのが怖かったが、思い切ってカミングアウトしたら精神的に楽になった。見えるふりをするのがしんどかったが、見えないことが友達にわかると料理を取り分けてくれたり、助けてくれた(持ちつ持たれつ)。
  • 近所の人に目が見えにくいことを話していなかったが、話したら助けてくれるようになった。様子がおかしいと思っていた、早く言ってくれたらよかったのにと言われた。うまくごまかしているつもりでも気づかれていた……(笑)

8. その他、集いに参加して思ったこと、気づいたこと

  • 見えない、見えにくいレベルに差があることを知らなかった、想像できなかった。
  • 見えない、見えにくい人の生活の工夫に驚いた。
  • いろんな話を聞いていると複雑な心境になったが、前向きな姿勢になれて勇気が出た。
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