【就労事例部門】MSP賞 NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ

視覚障害者による珈琲焙煎
「僕らは耳で焙煎をする。」

 珈琲の焙煎は、“ハゼ音”と呼ばれる珈琲豆のはぜる音で、焙煎の進行を管理しています。プロの「焙煎士」と呼ばれる方々も、耳からの情報を頼りに焙煎を行います。
 音が頼りであれば、視覚障害者にも珈琲焙煎はできる。そんな思いから、領家グリーンゲイブルズでは、音と香りを頼りにして視覚障害者が主体となって珈琲焙煎を実施する事業を開始しました。音に頼り、繊細な感性を持っている視覚障害者だからこそ、珈琲豆の焙煎の音を聞き分け、僅かな違いにも敏感に反応しながら焙煎を行うことができています。
 利用者は、音声秤を頼りに珈琲豆の計量を行い、補助のもとで焙煎の温度管理、時間管理を行います。販売用に製品を作る際には、計量、パック詰めも利用者が行います。
 当事業所の焙煎は、自動の機械による焙煎をするのではなく、視覚障害のある人が焙煎をする技術を活かしているところが大きな特徴といえます。それにより携わる視覚障害者が誇りを持って仕事ができるようになっていることがこの活動の意義です。

審査員コメント

 「コーヒーの焙煎」その言葉からは、とてもおしゃれで優雅な響きが感じられます。
 これまでの視覚障害者就労のイメージを覆し、誰もが興味を惹かれる魅力的なキャッチフレーズとセンスの良さで、視覚障碍者の可能性を形にされたことに敬意を表します。そして、なによりコーヒーがおいしいので、最高です!

プロフィール

NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ
領家グリーンゲイブルズは、障害福祉サービスの多機能型(生活介護・就労継続支援B型)事業所です。
主な利用者は視覚障害者です。
視覚障害者が視覚以外の研ぎ澄まされた感覚をいかし、聴覚、指先、想像力を駆使して制作活動を行っています。
作業の内容はコーヒー焙煎、農作業、点字名刺の作成などです。

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