自ら提案し、実行する、見えない自分だからこそできる業務!
社内での業務の一つは、朝礼のメール配信です。朝礼に参加できなかった社員に、朝礼の内容を配信しています。二つ目は、新入社員や中途入社者を対象にした電話に対する考え方研修。全盲の視覚障害者にとって「声だけのコミュニケーション」は日常のこと。上手なコミュニケーションのポイントを共有します。三つ目は、コールセンターの対応品質管理。言葉遣いや相づちなどが適切に行われているかをモニタリングします。四つ目は、社員面談の実施。五つ目は、CSR担当者として行う地域社会貢献活動。小学校の訪問授業では、子どもたちの質問に答えながら、弱視、全盲、色弱、視野狭窄、先天性、中途など、視覚障害者にもさまざまな見え方、見えにくさがあり、白杖を持っているから「見えない人」がはないことを理解してもらっています。回を重ねるごとに、通勤途中に子どもたちから声をかけられたり、地域や小学校のイベントに呼んでいただいたり、地域に育まれていることを実感しています。
これらの業務は、自ら提案し、採択され、運用しているものばかりです。「見えない自分だからこそできること」という発想が企画しています。
審査員コメント
電話という「見えない相手とのコミュニケーション」に視覚障害者の特性を生かしていることや、地域の小学校の福祉教育に尽力されていることが評価できます。あまり気づかれなかった具体的な視覚障害者就労の実例が満載で、まさに「バリアバリュー」の実践家です。今後の活動にも期待しています。 |
プロフィール
木暮 雅寿
株式会社アクトコール
糖尿病からの合併症で2010年に全盲となり、腎機能障害も発生。14年、障害者雇用第一号としてアクトコールに入社。夜間は透析を行いつつ、平日はほぼフルタイムで勤務。CSR担当として地域小学校の福祉教育にも携わっている。