【就労事例部門】MSP賞②西川 雅子

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今の自分にできることできないことを見極め
患者さんのために働き続ける!

 私は福井愛育病院に勤務する看護師です。
 2016年7月に見えにくさを自覚、大学病院での検診を重ね、2018年2月に両網膜色素変性症と診断、症状は徐々にすすんでいます。
 私は、今の自分に何ができるのかを探り、見え方を職場の上司や同僚と共有するため、「できること○」「お手伝いがあればできること△」「時間をかければできること」「お手伝いが必要なこと」を記載した説明書を作成しました。
 昨年の定期受診のあとのMTGで上司から「今まで通りの仕事ができないと言う理由で西川を退職させるのは簡単だ。しかし、これまで積み上げてきた病院での経験は何物にもかえられない財産である。どうしたら、その経験を患者さんや病院のために生かしてもらえるのか。それを考えるのが私たちの仕事である。」と話しがあり、説明書を元に、職場に私が働きやすい環境を整えてもらいました。
 自分の見えにくさを発信して周りの理解を得ていく、このような事例が増え、一人でも多くの方が働き続けられる社会になることを願っています。

審査員コメント

 多様性を価値に成長できる職場の必要条件は、多様であることをオープンに伝えそれを真摯に受け止めて互いに支援し合える「共に働く」意識の醸成と環境づくりなのだと思いました。
 視力低下の中、失望も大きかったと思いますが、決してあきらめない、その姿が周囲にも共感と理解を呼んだのですね。見え方説明書は見えないことを客観的に言葉にする作業です。これをベースに受入を進められた職場も素晴らしいです。

プロフィール

 

西川 雅子
福井愛育病院の看護師として勤務しています。その中で、網膜色素変性症を発症。視力の低下、見えにくさを職場と共有しスタッフの協力を得て看護師業務を続けています。
看護師以外にもAEDの普及活動や地元のお米を知ってもらうなどの社会活動に参加しています。

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