視覚障害者に声をかけるときの、上手な誘導方法を示した印刷物を。
通勤を含め、白杖を持って移動していると、健常者は親切に声をかけてくれます。ただ、上手な声のかけ方や誘導方法を知らない場合、逆に視覚障害者を困惑させてしまうことに。急に杖や手を引っ張られたり、体を押して誘導しようとしたり、怖い思いをした視覚障害者は少なくなく、それを健常者に指摘すると、誤解を招いたり、不快感を与えてしまうことにもなりかねません。せっかくの健常者の善意を台無しにしたくはないですから。
そこで、見えない人を見つけたときの声のかけ方や誘導方法をわかりやすく示し、感謝の気持ちを伝える印刷物を作成し、配布したいと考えました。また、JRの車内アナウンスで、「困っている人に声をかけましょう」と呼びかけるキャンペーンのときに、誘導方法を車内表示できると大きな効果が得られると思います。気持ちはあっても、どう援助して良いかわからず躊躇する人は多いはず。以前、JRPSの先輩に、街で手助けの声をかけられたら、仮に困っていなくてもお礼を言い、案内してもらいなさいと教わりました。健常者は勇気を出して声をかけてくれたのだから、そこで断ったら次に本当に困っている人を見かけても「大丈夫だろう」と声をかけないかもしれないと。視覚障害が正しく理解され、健常者が気軽に声をかけ、視覚障害者も安心して援助を受けられる社会にしたいと思い、提案します。
審査員コメント
この印刷物を作り、視覚障害者自らが配布すれば、確実に声をかけてくれる人は増えそうです。印刷物はポストカードほどの大きさが手頃でしょうか。全国の点字図書館にも置いて、希望者に配布すれば、全国的な運動に広がる可能性があると思います。 |
プロフィール
神田 信
会社員
網膜色素変性。病気とは知らずにメガネの三城に入社、店舗開発部門に従事。中途視覚障害者の就労を考える認定NPO法人タートル、JRPS神奈川ほか、社会福祉法人日本盲人会連合の弱視に関する委員会にも参加。障害者ボート競技をきっかけに、水泳・トライアスロンに取り組む。