弱点を補い合って就活し、働く、
障害者の「チーム就労」の導入を!
障害者は日常生活さえ困難なのに、就職活動を一人で行っていることに疑問を感じていました。入社後も、企業によっては合理的配慮や支援が不十分だったり、仕事が限定されるなど、さまざまな課題があります。どうすれば企業が視覚障害者を受け入れやすくなるのか、視覚障害者が働きやすくなるのかと考えた結果、障害者同士、あるいは、健常者とチームを組んで就労する「チーム就労」というアイデアに至りました。
まず、家が近く、互いの弱点を補い合えるような2人がチームをつくります。例えば、視覚障害者が聴力と話力を提供し、聴力障害者が視力を提供すれば、2人で補い合えます。相性が合えば、アイセンターや就労支援施設でチームワークを練習し、その後、チームで仕事を選び、面接に出かけ、就職後もチームで同じ仕事に従事します。チームを組むことで職種の選択肢が広がり、互いにできない仕事は相棒に任せ、2人で励まし合いながら仕事に取り組めます。能力の幅も広がり、長く勤められる可能性も高まるはず。企業側には、2人同時に雇うことで配慮の負担が減るだけでなく、周囲の社員は障害者への接し方を、相棒の言動を見ながら学習できるというメリットもあります。
審査員コメント
視覚障害者がほかの障害者とペアを組んで就職活動するのは一つの方法ですし、障害者が相互に弱点を補うことで就労の可能性が広がるのも素敵なアイデアだと思います。ただ、デメリットもあります。例えば入社後、一人が休みを取ると、もう一人も勤務できなくなるのは大きな制限。企業側の視点を加えて検証すれば、さらにいいアイデアになりそうです。 |
プロフィール
伴 英軌
会社員
名古屋大学理学部卒業。広島大学大学院理学研究科博士課程後期中退後、約4年ほど私立女子高校にて非常勤講師を勤める。金属加工会社の設計部・生産技術部を経て、現在は高等技術専門校生。