目が見えなくなっても心には寄り添える
中途視覚障害の臨床心理士

 みなさんは目が見えない臨床心理士と聞いてどうおもいますか?私は目が見えなくても他のドクターと同じで患者さんの心に寄り添えると思います。臨床心理士は心の問題を抱える人に対して、その人が自分らしく生きていくためのアプローチを行う仕事です。
 ではどのようにして観察するの?と思う方が多いと思います。情報の8割は視覚からと言われていますが、視覚障害者は見ることができません。しかし感じ取ることは可能だと考えます。例えば喜怒哀楽の声色や話の「間」、他にも患者さんの手を握るなど工夫をして患者さんの変化を見ることはできなくても感じることはできると思いました。
 また視覚障害者に重点を置く臨床心理士になるという道も考えられると思います。特に中途視覚障害者は自分が見えないことを受け入れるのに時間がかかると聞きました。そこで自分と同じような中途視覚障害者がいると気持ちを理解してもらいやすいため前向きになれるかもしれません。そのため他の臨床心理士よりも患者さんに寄り添うことが出来ると思います。
 このような点から視覚障害のある臨床心理士として補えばできること、反対に強みになることもあるため、患者さんの心に寄り添うのは難しくないと考えます。

審査員コメント

 視覚障害者は精神療法やカウンセリングを行う心の医療者に向いていると思います。相手の話を聞き、その心に寄り添うことは、きちんと訓練を積めば視覚障害者にも十分に行える仕事だと思います。
合理的配慮を受けつつ、臨床心理のスキルとマインドを学ぶことができ、そして、その知識や技能を生かして働くことができる環境整備が進んでいくことを期待しています。

プロフィール

 

横田 歩
東京医薬専門学校 視能訓練士科の学生です。ロービジョンの方との接し方を学びたいと思いゼミでロービジョンを専攻しました。視覚障害者の方々と交流する機会や視覚障害者の職業を考える授業があり、臨床心理士のアイディアを考えてみました。

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