見えにくいならではの気付きを業務に活かして新しい挑戦をしていきたい

 ロービジョンで現在の会社に入社して10年余り、見えにくさをオープンに出来ない状況でがむしゃらに頑張ってきました。見えにくくなる中でいくつかのセクションを経験し、少しずつ周囲の目をうまく借りながら効率の良さを意識し働くようになりました。
 そうして業務を継続していく中で、見えにくさを活かした働き方が出来ないかと考えていた頃、共用品の取組みに声を掛けられ、見えにくいからこその気付きやアイデアを出す機会に恵まれました。
 また、同時期に1年間、チームで設定した目標に取組む研修においてチームリーダーを務め、聴覚・視覚障害者の職場での配慮事項を取りまとめたハンドブックの作成に取組み、この取組みは全国大会を優勝することが出来ました。障害のことを伝える難しさと当事者がアクションを起こす大切さを学びました。そして、今期より兼任業務で人事部インクルージョン推進室で障害者活躍のための取組みを中心に業務を行っています。自ら能動的に発信することが周りの理解へつながると感じています。
 この与えられている環境に感謝し、見えにくいからこそ、見えにくいならではの気付きを、新しいビジネスのきっかけ作りや建築デザイン、会社の制度設計等に関わる業務の中で活かせたらとの思いで、これからも歩みを進めてまいります。

審査員コメント

 「自分が求める環境で働くためには、自分自身が組織にとって求められる存在であり続けられるかどうか」という言葉に全てが集約。変わらない環境を嘆くより、まず自分が変わらねばならない、という意識変化は多くの当事者に必要なことです。
 見えにくいからこその気付きをアイデアにして、プロジェクトで積極的に発信し、社員としての価値を生み出すという発想と、そうした価値を評価する会社もまた、素晴らしいと思います。

プロフィール

 

長谷川 和美
会社員

試行錯誤の就職活動で見出した障害特性を伝えるツールを用いて、視覚障害者の雇用経験が無い企業より6社内定。
2001年 大和工商リース株式会社(現、大和リース株式会社)入社。
マーケティング、展示場の販売促進業務等を経て、現在、新たな事業創造の業務に従事。
2020年 人事部インクルージョン推進室兼務。

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