表紙 活動報告書 2025-2025 公益社団法人 NEXT VISION i see!運動 障害者のホントを見よう この冊子はウェブサイトにPDFファイルを公開しています。音声で聞いていただけますのでご確認ください。 二次元コードはこちらです。 二次元コードのURL https://nextvision.or.jp/document/reports/R6_katudouhoukoku.pdf 1ページ NEXT VISIONへのご支援をありがとうございます。 みなさまのご支援・ご協力に支えられ、活動を継続することができます。 これからもよろしくお願いいたします。 (五十音順・敬称略)2025年9月30日現在 賛助会員 青木 勢津子 ( アオキ セツコ ) 赤井 愛 ( アカイ アイ ) 飯野 初生 ( イイノ ハツオ ) 石川 典子 ( イシカワ ノリコ ) 石子 智士 ( イシコ サトシ ) 市川 照芳 ( イチカワ テルヨシ ) 出原 恵美子 ( イデハラ エミコ ) 伊藤 節代 ( イトウ セツヨ ) 伊藤 政文 ( イトウ マサフミ ) 井上 直樹 ( イノウエ ナオキ ) 井本 清江 ( イモト キヨエ ) 上竹 あゆみ ( ウエタケ アユミ ) 上野 盛夫 ( ウエノ モリオ ) 大蔵 克己 ( オオクラ カツミ ) 岡田 太丞 ( オカダ タイスケ ) 岡部 宏彦 ( オカベ ヒロヒコ ) 金井 国利 ( カナイ クニトシ ) 加納 猛彦 ( カノウ タケヒコ ) 川上 兼弘 ( カワカミ カネヒロ ) 河越 眞介 ( カワゴエ シンスケ ) 河部 千鶴 ( カワベ チヅル ) 川真田 伸 ( カワマタ シン ) 神田 信 ( カンダ シン ) 木村 郁夫 ( キムラ イクオ ) 熊懐 敬 ( クマダキ ケイ ) 越川 慎一 ( コシカワ シンイチ ) 小寺 佑花 ( コデラ ユカ ) 小山 健一 ( コヤマ ケンイチ ) 小山 哲矢 ( コヤマ テツヤ ) 清水 久美 ( シミズ クミ ) 杉田 啓之 ( スギタ ヒロユキ ) 園 順一 ( ソノ ジュンイチ ) 高田 忍 ( タカダ シノブ ) 竹田 武夫 ( タケダ タケオ ) 田中 桂子 ( タナカ ケイコ ) 田中 幸二 ( タナカ コウジ ) 津田 孝司 ( ツダ タカシ ) 手良西 萬里子 ( テラニシ マリコ ) 土佐 美佳 ( トサ ミカ ) 富田 喜一郎 ( トミタ キイチロウ ) 中尾 郁子 ( ナカオ イクコ ) 長岡 保 ( ナガオカ タモツ ) 中本 裕二 ( ナカモト ユウジ ) 西村 眞理子 ( ニシムラ マリコ ) 野瀬 昌幸 ( ノセ マサユキ ) 八田 美智代 ( ハッタ ミチヨ ) 東尾 和司 ( ヒガシオ カズシ ) 人見 智子 ( ヒトミ サトコ ) 平井 啓一 ( ヒライ ケイイチ ) 福田 麻美 ( フクダ アサミ ) 藤原 守雄 ( フジワラ モリオ ) 干谷 貴之 ( ホシタニ タカユキ ) 前川 喜美恵 ( マエカワ キミエ ) 松浦 常子 ( マツウラ ツネコ ) 丸山 亜実 ( マルヤマ アミ ) 三宅 るみ子 ( ミヤケ ルミコ ) 村井 薫 ( ムライ カオル ) 村瀬 友救 ( ムラセ トモヤス ) 安井 利恵子 ( ヤスイ リエコ ) 山下 秀明 ( ヤマシタ ヒデアキ ) 山田 久美 ( ヤマダ ヒサミ ) 吉野 豪 ( ヨシノ ゴウ ) 吉野 由美子 ( ヨシノ ユミコ ) 吉本 領 ( ヨシモト オサム ) エクスポート・ジャパン株式会社 ( エクスポートジャパンカブシキガイシャ ) 株式会社 メガネの金剛 ( カブシキガイシャ メガネノコンゴウ ) 株式会社 Raise the Flag. ( カブシキガイシャ レイズ ザ フラッグ ) 株式会社神戸ポートピアホテル ( カブシキガイシャコウベポートピアホテル ) 株式会社システムギアビジョン ( カブシキガイシャシステムギアビジョン ) 株式会社東京メガネ 神戸阪急店 ( カブシキガイシャトウキョウメガネ コウベハンキュウテン ) 株式会社プライムアシスタンス ( カブシキガイシャプライムアシスタンス ) 公益社団法人日本網膜色素変性症協会 ( コウエキシャダンホウジンニホンモウマクシキソヘンセイショウキョウカイ ) 千寿製薬株式会社 ( センジュセイヤクカブシキガイシャ ) ダイダン株式会社 ( ダイダンカブシキガイシャ ) ノバルティスファーマ株式会社 ( ノバルティスファーマカブシキガイシャ ) 和研薬株式会社 ( ワケンヤクカブシキガイシャ ) 寄附 飯野 初生 ( イイノ ハツオ ) 梅澤 正道 ( ウメザワ マサミチ ) 岡部 宏彦 ( オカベ ヒロヒコ ) 河越 眞介 ( カワゴエ シンスケ ) 川端 輝彦 ( カワバタ テルヒコ ) 栗和田 榮一 ( クリワダ エイイチ ) 小西 祐一 ( コニシ ユウイチ ) 髙橋 淳 ( タカハシ ジュン ) 藤原 文隆 ( フジワラ フミタカ ) 干谷 貴之 ( ホシタニ タカユキ ) 前川 喜美恵 ( マエカワ キミエ ) 若宮 正子 ( ワカミヤ マサコ ) 一般社団法人 チャレンジド・ヨガ ( イッパンシャダンホウジン チャレンジド・ヨガ ) KYON.Jの写真・寄付活動を応援される皆様 ( キョンジェーノシャシン・キフカツドウヲオウエンサレルミナサマ ) 國松昭子基金 ( クニマツアキコキキン ) クラシカ ( クラシカ ) ショパニストアーツ ( ショパニストアーツ ) 谷眼科医院 谷恵美子 ( タニガンカイイン タニエミコ ) ハルズベーカリー ( ハルズベーカリー ) パートナー Platinum シスメックス株式会社 ( シスメックスカブシキガイシャ ) Gold 株式会社 Raise the Flag. ( カブシキガイシャ レイズ ザ フラッグ ) Gold 中外製薬株式会社 ( チュウガイセイヤクカブシキガイシャ ) Bronze 参天製薬株式会社 ( サンテンセイヤクカブシキガイシャ ) 助成 日本財団 ( ニッポンザイダン ) 4ページ 代表理事ごあいさつ 公益社団法人NEXT VISION 代表理事 仲泊 聡 本年度も、多大なるご寄付(ふるさと納税を含む)、賛助会員の皆様からの会費、ならびに企業パートナー様からのご協賛を賜り、心より感謝申し上げます。皆様のご支援により、NEXT VISIONの活動を一層充実させることができました。 NEXT VISIONは設立10周年を迎え、「一緒に築く」という新たな姿勢のもと、活動方針を「平和な並話(へいわなへいわ)」といたしました。並話とは、肩を並べて語り合い、異なる意見を尊重しながら共に未来を築くことを意味します。 今年度は、株式会社ビジョンケアと連携してロービジョン相談のAI化を進め、誰もが安心して相談できる環境づくりに取り組みました。また、東北大学や立命館大学との共同研究を通じ、科学的根拠に基づく支援モデルの確立にも努めています。 これからも、多様な人々が共に支え合う社会の実現を目指し、歩みを進めてまいります。今後とも温かいご支援を心よりお願い申し上げます。 5ページ 公益社団法人NEXT VISION 令和6年度事業報告書 (令和6年4月1日~令和7年3月31日) Ⅰ.実施事業 1.視覚障害者に対する直接支援事業(公益目的事業①) (1)当事者向け講座、セミナー事業  遠隔で当事者、家族、支援者への情報提供を行い、地域性による情報格差を軽減し、全国の情報障害者を減らします。 1)ビジョンパークチャンネル 登録者数:1,100人、公開コンテンツ:247本 デジタルラウンジ、G-1グランプリ、ロービジョンの集いなどのイベントをオンラインで開催し、動画および音声をビジョンパークチャンネルに公開しました。 https://www.youtube.com/@nextvision3230 (総評) コロナ以降Zoomを使ったオンライン開催を継続し、リアルタイムに参加できない方がいつでも視聴できるよう、ビジョンパークチャンネルでアーカイブ動画を公開したことでさらに多くの方に情報をお届けすることができました。 居住する地域を問わない情報処方を行うことができ、お一人お一人のニーズに合った情報提供及びテクノロジー支援を行いました。 参加者には視覚障害者だけでなく、支援者やご家族も含まれており、医療従事者や教育・福祉関係者、開発者等も含めてより多くの方に、情報提供およびロービジョンケアに関する理解を広めるために、得られた運営・開催方法に関する知見を活かして本事業を継続したいと考えます。 2)研修 ●デジタルラウンジ 開催日・テーマ又はゲスト名・オンライン参加人数・内容 2024/4/22・新アシスタント・寺田真弓さんの紹介・参加者:161人 今年度からデジタルラウンジのアシスタントになった寺田真弓さんを紹介。寺田さんは生まれつき脳性麻痺で車椅子ユーザーの旦那さんと4歳の息子さんと長野県在住。これまでの経歴や現在行っているYouTubeやユニバーサルツーリズムの発信活動についてお話を伺いました。 寺田さんのYouTubeチャンネルはこちらです。 多様性バラエティー寺田家TV https://www.youtube.com/channel/UCI4yBwvm17eA6VzkrGi9ljw 2024/5/27・iPhoneの文字入力 かな漢字変換の辞書登録の方法・参加者:155人 井上直也さんにiPhoneの文字入力を能率よく行うためのテクニックとして、かな漢字変換の辞書登録の方法を説明していただき、辞書登録でスムーズに入力ができるように学びました。 寄せられた質問はNEXT VISIONのウェブページで回答しました。 https://nextvision.or.jp/shikaku-it-qa/ 2024/6/24・Apple社新製品の特徴と展望・参加者:147人 6月にApple社は開発者向けカンファレンスとしてWWDCを開催しています。 WWDC24では、最新のiOSなどの開発に関する新しい情報が紹介されました。 今回は、Apple IntelligenceやApple Vision Proなど、最新のApple製品の特徴や今後の展望について話しました。ロービジョンユーザーにとってどのような進化があるのか、参考にしていただきたいと思います。 2024/7/22・トロンボーン奏者で日本ケアメイク協会理事長の山岸加奈子さん・参加者:163人 全盲のトロンボーン奏者で日本ケアメイク協会理事長の山岸加奈子さんをスペシャルゲストにお迎えしました。 山岸さんは生まれつき視覚に障害を持ち、盲導犬と共に積極的に活動されています。ドキュメンタリー番組や映画、CMなどに出演し、テレビ番組への楽曲提供も行っており、近年では、演奏活動の傍ら、ブラインドメイク講師としても活躍しています。 これまでの人生や現在の活動、活動の中で活用している アプリなどについてお聞きしました。 山岸加奈子さんのホームページはこちらです。 http://born-music.com/media.html 2024/8/26・Be My Eyesアプリ内のBe My AI機能と写真アプリの管理法・参加者:189人 井上直也さんに他のアプリと連携してより便利に使える方法を解説していただきました。また併せて、井上さんが普段行っている写真アプリの管理法についてもご紹介いただきました。 Be My Eyesのダウンロードはこちらから。(無料のアプリです) https://apps.apple.com/jp/app/be-my-eyes-helping-blind-see/ id905177575 ぜひ、ダウンロードして試してみてください。 2024/9/30・Apple社新製品の特徴と展望・参加者:155人 例年通り、Apple社が新製品の発表イベントを開催しました。今年はiPhone16、Apple Watch10、AirPods4などが登場しました。ヘルスケアや日常生活の改善に役立つ技術も多く見られます。最新の情報をチェックし、生活をさらに快適にアップデートしてみましょう! 2024/10/28・ゲームを通じて人生を豊かにしてきた熊澤明さん・参加者:156人 神戸アイライト協会の熊澤明さんをスペシャルゲストにお迎えしました。熊澤さんが幼少期からゲームを通じてどのように人生を歩んでこられたかをお聞きし、ゲームが仕事や日常生活のすべてに通じていること、一つのことを追求する素晴らしさを改めて感じる内容となっています。また、普段使用されているアプリの活用方法についてもお話しいただきました。 熊澤さんは視力を用いずプレイ可能な家庭用ゲームソフトのご紹介と視力を用いず利用可能なWindowsアプリの開発についても、下記YouTubeチャンネルにて発信しています。 YouTubeチャンネル【良藝館 公式】 https://www.youtube.com/channel/UCHsJJayBXK8XgEZzHGnroag 神戸アイライト協会のホームページはこちらです。 https://eyelight.eek.jp/ 2024/11/22・使っていますか!? Podcastやradikoなどの音声メディア・参加者:159人 新聞やテレビ、ラジオが一般的ですが、iPhoneで確認している方も多くなってきています。ニュースにもYahoo!ニュースやNHK NEWS防災に代表されるテキスト系のニュースアプリとRadikoやNHKラジオ・ Podcastのように音で聞く音声系アプリがありますが、11月は井上直也さんに音声系のアプリ、すなわち音声メディアについて紹介と解説をしていただきました。 紹介するアプリはこちらからダウンロードできます。 ・Podcast https://apps.apple.com/jp/app/apple-podcasts/id525463029 ・radiko https://apps.apple.com/jp/app/radiko/id370515585 ・NHKラジオ らじるらじる https://apps.apple.com/jp/app/nhk%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA-%E3%82%89%E3%81%98%E3%82%8B%E3%82%89%E3%81%98%E3%82%8B-%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA%E9%85%8D%E4%BF%A1%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA/id473937342 ・らくらじ2 https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%89%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%98%EF%BC%92/id1625594891 ・FMプラプラ https://apps.apple.com/jp/app/fm%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%A9/id923243308 ・やまさんのもりwebサイト https://yama3nomori.jp 2024/12/23・1年の振り返り、進化するデジタル社会について・参加者:140人 12月は一年を振り返ってデジタルで便利になったことや話題となったトピックを思い出しながら進化するデジタル社会について話しました。 2025/1/27・ポジティブに柔軟に挑戦し続ける、谷口真大さん・参加者:146人 ゲストとして谷口真大(たにぐちまさひろ)さんをお迎えしました。谷口さんは2歳の時に小児がんにより視力を失い、現在は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」において、アテンドとして活躍しています。また、視覚障害者を演じる俳優の所作指導など、多岐にわたる活動をされています。さらに、2013年から2021年の間は陸上競技日本代表のブラインドランナーとして活躍。現在は陸上競技を引退され、一児の父親として育児と仕事の両立をされています。視覚障害者ならではの子育ての工夫や日常についてYouTubeやnoteで発信も行っています。 気ままな全盲パパ / ぐっちイズム https://www.youtube.com/channel/UCUVTWo8XAHclIdxxdaitrVA 2025/2/24・iPhoneに機能が追加された留守番電話とボイスメモの解説・参加者:177人 井上直也さんにiPhoneに機能が追加された留守番電話とボイスメモの解説をしていただきました。 また、視覚に障害があるとメモを取るのが難しいため、ICレコーダーやリンクポケットを持ち歩いている方も多いと思います。 iPhoneに最初から入っているボイスメモアプリを上手に使えれば便利さは増すと思います。 ボイスメモアプリは下記からダウンロードいただけます。 https://apps.apple.com/jp/app/%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%A2/id1069512134 2025/3/24・ついに登場!Apple Intelligenceの可能性・参加者:206人 Appleの生成AI「Apple Intelligence」が、いよいよ日本でも利用可能になります。新しいiPhone 16eの発売も始まり、対応機種も広がっています。 この革新的なAIを活用すると、私たちのデジタルライフはどう変わるのでしょうか? iPhoneがよりパーソナルなアシスタントになり、視覚障害者にとってもさらに使いやすく、便利なデバイスへと進化する可能性があります。 (総評) 視覚障害支援に関わる先人たちの生い立ちやテクノロジー活用の具体例を通して、障害を克服していくライフスキルを学びました。引き続き、基本的なiPadやiPhoneの使い方やアクセシビリティの設定指導等と合わせて視覚障害の枠を超えたスペシャルゲストとのさらなる深掘り対談やさまざまなテーマを設定して変化に飛んだ対話会を継続していく予定です。 ●NEXT VISIONセミナー 2024/12/2 第11回NEXT VISIONセミナー「再生医療元年~治療からロービジョンケアまで」 講師:髙橋 政代  参加者:401人 内容:我々が開発しているiPS細胞由来の網膜色素上皮(RPE)細胞移植は剤形を進化させ、安全でよい治療になったと思います。また、数年前から多くの網膜専門の眼科医の先生たちと治療に関して検討する「RPE移植研究会」を開催し、今年度からはその中で治療を実際に行う病院や患者さんを紹介してくれる病院を募っています。 再生医療を国内外に広めるためには、医師にその治療の説明をしていただく必要がありますが、現在、説明できるのは世界でも神戸アイセンター病院の医師のみです。そこで、再生医療の説明をするために生成AIソフトを作りました。さらに、NEXT VISIONで蓄積されているロービジョンケアのノウハウ、ここでしかできない様々な治療と組み合わせるケアをどこでもできるような仕組みの検討を始めています。 再生医療だけで視覚障害の方のすべての希望がかなえられるわけではありません。だからこそ、ロービジョンケアの重要性が増してきます。本セミナーでは網膜再生医療から生成AI、ロービジョンケアまで進捗状況と今後の展望についてお話させていただきました。 (髙橋政代) ●企業向けセミナー  2件 ●研修  9件(専門学校、高校、患者団体など) ●見学  46件(患者団体、企業、個人など) ●「私の見え方・見えにくさ」伝え方講座 本講座は少人数の対面での講習であり、新型コロナ感染拡大対策継続のため開催できませんでした。 ●寄り添い方講座 本講座は対面での講習であり、新型コロナ感染拡大対策継続のため開催できませんでした。 ●第6回視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラム 会場参加者:25人、オンライン参加者:78人 会場参加も含めハイブリッド形式で下記のとおり開催し、後日動画も公開しました。 タイトル:第六回神戸発、視覚障害者雇用の未来を考えるフォーラム 「産業医との付き合い方、相談の仕方」~自らの執務環境改善の為に上手く付き合いましょう~ 内容:第1部 就労体験発表(3名)    第2部 パネルディスカッション 日時:2024年11月23日(祝・土)13時00分~16時00分 会場:中山記念会館 1階 大会議室    〒652-0802 神戸市兵庫区水木通2丁目1番9号 主催:社会福祉法人日本視覚障害者団体連合、特定非営利活動法人神戸アイライト協会、視覚障害者就労相談人材バンク、公益社団法人 NEXT VISION 協力:社会福祉法人兵庫県視覚障害者福祉協会、一般社団法人神戸市視覚障害者福祉協会 ●視野障害者の安全運転支援プロジェクトセミナー 視野障害者の安全運転支援プロジェクトの啓発活動として下記セミナーの開催に協力しました。 開催日:2024/10/29(火)19:00~20:00 移動貧困社会からの脱却~安全で心豊かな暮らしを実現するモビリティとは~ 講師:楠田悦子さん 内容:クルマの自動運転技術など、乗り物の技術は着実に進歩している一方で、高齢者による自動車事故がニュースで取り上げられ、免許を返納したくても移動の代替手段がないなど、日本の社会はまだまだ移動の仕組みが不完全な「移動貧困社会」といえます。 セミナーではモビリティジャーナリストとして活躍する楠田悦子さんをお招きし、MaaSやスマートシティ、様々な社会課題への国内外の取材や活動を通して考えた、歳を重ねても障がいがあっても、安全で自由な移動に困らない、心豊かな暮らしと社会のための「モビリティ(移動手段)」についてお話しいただきました。 開催形式:オンライン 参加人数:129人  開催日2024/12/13(金)20:00~21:00  視野障害者に今の運転支援システムはどれだけ役に立つの?ー体験試乗会実施報告ー 講師:伊藤 誠さん 内容:自動車の運転支援システムが持つ機能や性能は今も進化を続けています。 2023年度につづき、今年度も視野障害をお持ちの方に最新の運転支援システムを体験してもらう会を開催し、セミナーでは体験試乗会の様子をご報告いただきました。また今回体験していただいた方に感想や要望をお聞きしました。 開催形式:オンライン 参加人数:103人  開催日:2025/3/15(土)10:00~11:00  緑内障って、どんな病気?眼底検査って、どんな検査?〜安全運転に必要な、ためになる話~ 講師:國松志保さん 内容: 国内の失明原因で最も多いといわれている緑内障。日本では40歳以上の20人に1人が緑内障であると報告されています。緑内障はゆっくり進行し、痛みもなく、多くの場合は末期になるまで中心視力が保たれ、自覚症状がありません。そのため、視野狭窄があることに気づかず車の運転を続けるケースがあります。緑内障は定期検診などで病気を発見し、治療を行うことにより、進行が遅くなり、失明する怖い病気ではなくなります。また、安全に運転を続けるためには、自分の見え方を知ることが大切です。 本セミナーでは、國松志保先生がドライビングシミュレータを使用して安全運転の指導をしている「運転外来」の最新のデータを紹介しながら、緑内障についてお話いただきました。 開催形式:オンライン 参加人数:77人  (総評) ビジョンパークや外部の会場を使ったセミナー、見学研修を行いました。コロナ感染対策として始めたオンラインを活用したセミナーを継続したことで、居住地に関係なく、多くの方に情報を得る機会を提供することができたと考えます。 さまざまな立場の人々が必要とする情報や知識を適切なタイミングで提供できるよう、次年度以降もセミナーや見学研修を予定しています。 3)ネクストビジョン歌会 今年度は開催するための資金確保がかなわず、実施できませんでした。次年度は補助金の申請を行うなど資金を獲得し、実施したいと考えます。 (2)当事者向け体験事業 見えない・見えにくい方を対象として、スポーツや映画鑑賞など様々な文化体験をしてもらい、晴眼者と同じように趣味や生きがいを見つけて社会生活を楽しむ機会を設けることで、見えない・見えにくい方の社会参加、支援する活動等を行いました。 1)eスポーツ 第5回G-1グランプリ ゲームは今や、単なる娯楽を超え、人と人をつなぐコミュニケーションツールとして進化しています。その可能性の一つが「アクセシビリティ」。障害の有無に関係なく、誰もが同じフィールドで楽しめる世界が広がっています。今回のG-1グランプリは、ゲームの楽しさとアクセシビリティの可能性を多くの人に知ってもらうイベントとしてゲストに株式会社バンダイナムコスタジオさんにお越しいただき、開催しました。 日時:2025/3/15(土)13:00~16:30 プログラム:1.G-1グランプリ投稿作品紹介 2.スペシャル対談「格闘ゲームに求められるアクセシビリティ」 ゲスト:株式会社バンダイナムコスタジオ 3.結果発表と講評 参加人数:会場(神戸アイセンター・ビジョンパーク、関係者のみ)14名、オンライン参加者:34名、動画エントリー:15名 賞名・受賞者名 G-1グランプリ作品賞  いちほまれ    バンダイナムコ賞  おかわり    NEXT VISION賞  ひー    キッズ作品賞  haru 写真:1枚 【G-1グランプリ作品賞に輝いたいちほまれさん】 主催:公益社団法人NEXT VISION、特定非営利活動法人 Inclusive Fellowship Promotion、視覚障がい者ライフサポート機構 “viwa” 協賛: 株式会社バンダイナムコスタジオ、株式会社Studio Gift Hands 写真:2枚 【投稿作品にコメントするバンダイナムコスタジオの方々】 【スペシャル対談「格闘ゲームに求められるアクセシビリティ」の様子】 (総評) 社会処方の一環として、ゲームを通じたコミュニケーションや社会参加を支援する本企画は、視覚障害者や肢体不自由の当事者によるアイデアの共有から始まり、ゲームが持つ社会性や教育的効果について対話を通じて学ぶことを目的としています。 第5回目の開催となる今回は、ゲーム開発企業と連携し、実際のゲームにおけるアクセシビリティ向上に向けて、当事者の声を直接届ける機会を創出することができました。また、開発者の皆さまには、当事者のゲームに対する熱い想いや、当事者ならではの視点に基づく「処方」を提供することができました。 今後は、本企画を通じて得られた知見をゲーム関連のシンポジウム等で発信し、ゲームのアクセシビリティ向上を通じて、誰もがゲームを楽しめる世界―すなわち、世界平和の実現を目指してまいります。 2)クライミング 今年度は新しいクライミングの実施形態として、NPO法人モンキーマジックにご協力いただき、地元企業のクライミングサークル活動を行いました。 開催日時:2024/11/8(金)17:00~20:00       2025/2/21(金)17:00~20:00 参加人数:各日30人 (総評) サークル活動を通じて、これまでクライミングをしたことがなかった方、神戸アイセンターを知らなかった方、視覚障害について知らなかった方が集うことで、新たな人脈につながったと考えます。 また、兵庫県障害者スポーツ協会、モンキーマジック、クライミング事業者などと兵庫県下におけるパラクライミングの普及、啓発活動についてミーテイングを行い、今後、協力しあうことを確認しました。 今後もNEXT VISIONによる主催イベントだけでなく、他機関・団体によるクライミングイベントの実現に向け、開催可能性を探ります。 3)体幹トレーニング 今年度は講師である山野上優さんの主催イベントとして開催していただいたので、NEXT VISIONとしては実施しませんでした。 4)チャレンジド・ヨガ 2024/6/37 椅子ヨガ 参加者:20人(オンライン参加含む) 2024/11/21 椅子ヨガ 参加者:16人(オンライン参加含む) (総評) チャレンジド・ヨガの協力を得て、ハイブリッド形式で開催しました。オンライン参加者は外出することなく自宅で気軽に楽しめただけでなく、病院に来られていた患者さんがヨガに興味を持つきっかけになりました。 5)視覚活用訓練 毎月主として第四金曜日にビジョンパークで原田理事が行っている訓練事業です。午前を再診枠、午後を初診枠として設定し、初診14名(昨年度13名)、再診のべ37名(昨年度28名)に対して、訓練を行いました(前年比124%)。対象者の主な眼疾患は、網膜色素変性(22名)、緑内障(9名)等による視野欠損と黄斑変性(2名)等による中心暗点でした。保有視野を有効に活用するためのノウハウについて紹介し、目を動かしながら、そのコツを体得するトレーニングを行なっています。また、これまでの実績を集計し相談内容についてまとめました。 (総評) 少しずつ再診の方が増えているのは、その有効性によるところが大きいと思われます。本事業を通して、参加者の方には、それまでに自覚していなかった保有視覚を認識し、生活上の安全と安心を獲得できたと喜ばれています。次年度には、集計された実績について論文の形で発表することを予定しています。 (3)カウンセリング事業 1)ロービジョンの集い 内容:見えない・見えにくい当事者を中心にご家族や支援の専門家などが集まり、日常生活での困りごとや情報の共有を行うほか、誰もが気軽に相談ができる集いの場を下記のとおり、提供しました。 【開催方法】オンライン 【対象】視覚障害者、ご家族、その他一般の方などどなたでも参加可能  【開催回数】毎月1回、計12回 2024/4/30 第137回「神戸パラ陸上大会開催直前企画!みんなでパラスポーツを語ろう!!」 参加者:63人 内容:2024年5月17日から神戸市で世界パラ陸上大会が開催されました。東アジアではじめて開催される大会ということで盛り上がり、夏にはパラリンピックもありました。陸上競技だけでなく、注目度が高いパラスポーツ。眼が見えなく、見えにくくなってスポーツができるの?と思っている方がいるかもしれませんが、競技としてだけでなく、趣味としてスポーツを楽しまれている方が大勢います。 今回はNPO法人日本視覚障害者柔道連盟 会長、一般社団法人日本パラリンピアンズ協会 副会長などを務める初瀬勇輔さんをお迎えして、パラスポーツについて、誰もが楽しめるスポーツから広がる共生社会について、お話しいただきました。 この革新的なAIを活用すると、私たちのデジタルライフはどう変わるのでしょうか? iPhoneがより パーソナルなアシスタントになり、視覚障害者にとってもさらに使いやすく、便利なデバイスへと進化する可能性があります。 2024/5/28 第138回「こころとからだの健康を考える集い」 参加者:15人 内容:ゴールデンウィークが終わると次にやってくるのはジメジメした梅雨と暑い夏ですが、体調を整えて元気に乗り越えたい!ということで、みなさんが普段の生活の中で行っている健康法や食事の工夫、レクリエーションなどについてお話ししました。 2024/6/25 第139回「インクルーシブデザインで「誰もが使いやすい」のその先へ 参加者:123人 内容:視覚障害者歩行テープ「ココテープ」、持って出掛けたくなる白杖「ミズノケーン」、ソニー「XRキャッチボール」など、みなさんも一度は目にしたり、耳にしたことがあるのではないでしょうか? 今回はこれらの開発に関わった、PLAYWORKS株式会社 タキザワケイタさんをお迎えして、多様なリードユーザー(未知の未来に導いてくれる人)との共創からイノベーションを創出する、インクルーシブデザインについてお話をお聞きしました。 2024年5月に発売を開始した「ココテープ」の開発秘話だけでなく、視覚障害の見えにくさを擬似体験できる「ロービジョン体験キットPLAYWORKSモデル」についてもご紹介いただきました。 2024/7/30 第140回「将来の夢や進路を考える集い」 参加者:14人 内容:将来の夢が見つかった人も、まだ見つかっていない人も、これからゆっくり考えようと思っている人も、どなたでも参加できる会を開催し、どうすれば自分らしい夢を見つけて、ワクワクする人生を送れるか、みんなで一緒にお話しました。 2024/8/27 第141回「パラリンピック応援企画・みんなでスポーツを楽しもう!」 参加者:53人 内容:パラリンピックの起源は1948年、第2次世界大戦で主に脊髄を損傷した兵士たちのリハビリの一環としてロンドン郊外のストーク・マンデビル病院内で開かれたアーチェリーの競技会です。 日本では1964年に東京パラリンピックが開催され、各国の選手たちがさまざまな障害がありながらもスポーツをする姿に感動したことをきっかけに、障害者スポーツが広がりました。スポーツと言っても競技、趣味、健康維持など、目的はさまざまです。集いでは、どんなスポーツがあるのか、どこでできるのか、どうすればできるのか、などスポーツについてお話しました。 2024/9/24 第142回 「家事や趣味を楽しむ集い」 参加者:15人 内容:いろいろな道具や方法、アイデアで家事を楽にこなしたり趣味を楽しむことができます。ちょっとした工夫や便利グッズ、おすすめの趣味について参加者全員で情報交換しました。 2024/10/23  第143回「日本発「あしらせ」の魅力に迫る!~機能、特長、今後の展開まで~」  参加者:110人 内容:株式会社Ashirase(あしらせ)の千野歩さんをお迎えして、2024年10月秋から一般販売を開始した靴に装着するセンシング機器とアプリで視覚障害者の移動を支援するシステム「あしらせ」についてお話をお聞きしました。 株式会社Ashiraseはホンダ発の会社でありながら、「あしらせ」には自動車の技術をそのまま活用しているわけではありませんが、ホンダで学んだコンセプトや哲学などはしっかり継承されていて、顧客の声を聞き続け、製品開発を進めたことで今回の一般販売が実現しました。 センシングデバイスにとどまらない「あしらせ」の機能、特長、今後の展開など千野さんのお話だけでなく、参加者のみなさんからの質問にもお答えいただきました。 2024/11/26 第144回「人生を語り楽しむ集い」 参加者:16人 内容: 日常生活や仕事を通じて蓄積してきた経験やノウハウを共有してさらに豊かな人生を送りましょう!ということで、ご自身の体験談、最新情報の提供など参加者のみなさんのお話をお聞きしました。 2024/12/21 第145回 「理系の仕事・勉強をしているひと大集合!」 参加者:13人 内容:見えなく、見えにくくなると仕事や生活の中で困り事ができるけれど、さまざまな方法や道具を使って解決しているという話はよくお聞きします。 そこで今回は、特に理系の仕事や勉強をしている方から ・グラフや図形の書き方や読み方 ・論文の検索方法や効率的な書き方、フィギュアの入れ方  ・データの解析や整理の仕方 ・実験の仕方 ・実験画像の見方、確認方法 など、理系のみなさんの工夫やアイデア、独自に編み出した方法やプログラム、AIの活用方法などについてお話をお聞きしました。 2025/1/28 第146回「見えない、見えにくい子どもさんを持つ親の集い」 参加者:8人 内容:こどもが教科書を読みにくくなってきたけれど、どんな機器を使えばいいの?テストはどうやって受けたらいいの?通学が不安だけど、ひとりで大丈夫?など、いろいろ疑問や不安があると思います。学習のことだけでなく日常生活の工夫などもお話しました。 2025/2/26 第147回「大阪・関西万博を楽しもう!」 参加者:66人 内容: 2025年4月13日に開幕する大阪・関西万博について参加者のみなさんがテレビやラジオ、公式サイトなどを通して知ったこと、実際に体験したことなどをお話しました。 チケット購入のための事前登録の方法やチケットを購入、予約したという体験談やコツ、万博グッズ、万博会場で食べられる世界のお料理についてお話しました。 2025/3/25 第148回「仕事や家族のことを考える集い」 参加者:17人 内容: 職場や日常生活での工夫やアイデア、周囲の人との関わり方や合理的配慮の求め方など、知っていると仕事がしやすく、 生活が楽しくなる情報を共有しました。 「ロービジョンの集い」の過去のリポート、動画は下記よりご覧ください。 https://nextvision.or.jp/%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%93%e3%82%b8%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%81%ae%e9%9b%86%e3%81%84/ (総評) 昨年度に引き続き、「ロービジョンの集い」はオンラインで開催しました。オンラインでの開催は、いつでも、どこからでも、参加する気持ちさえあれば参加できる点がメリットで移動の心配もありません。 ただし、オンラインに慣れていない方にとっては、本来の目的である困りごとや悩みを気軽に相談できる雰囲気が失われてしまう可能性があるため、オンラインであってもできるだけ話しやすい環境を作り、心理的安全性が担保できるように努めました。また、年6回の決まったテーマ以外は、その時に求められているテーマを選択しており、今後も必要な情報に、必要な時につながるように、対話の機会を提供したいと考えています。 2)相談コーナーの運営 神戸アイセンターでは、「神戸アイセンター病院×ビジョンパーク連携カード」という連携カードによって神戸アイセンター病院の医師や視能訓練士、看護師などがロービジョンに関する情報提供が必要と感じたときに連携カードを発行する取り組みを行っています。 2024年度も昨年度に引き続き、対面による相談だけでなく、オンラインを活用した相談を支援機関・教育機関と連携して行いました。 【(表1)相談件数 単位:件】 2024年度の相談件数は、連携カードありの相談が380件、連携カードなしの相談が639件、合計1,019件となりました。(表1) 連携カードによる相談と比べ、連携カードなしの相談が多いという傾向は前年同様となっており、病院からの連携カードによる紹介がなくても相談に訪れる方へ情報提供ができていると考えます。 対応した相談者の年齢については、70歳代が23.0%、80歳代が19.0%、50歳代が17.0%、60歳代が14.0%となっています(図2) 【(図1)連携カード有無による相談件数(割合)】 【(図2)相談者の年代(割合)】 対応した疾患は網膜色素変性が43.0(前年39.3)%、緑内障が19.0(前年24.7)%で、網膜色素変性が増え、緑内障は減ったものの合計では全体の6割を超えました。(図3) 相談を受けて提供した情報の内容は多岐に渡りますが、日常生活に関する相談が24.0(前年29.9)%、読みに関する相談が22.0(前年20.0)%、身体障害者手帳や障害年金など制度に関する相談が14.0(前年14.6)%、歩行に関する相談が13.0(前年12.4)%でした。(図4) それぞれの相談件数は表2をご参照ください 【(図3)相談者の疾患名(割合)】 【(図4)相談で提供した情報の内容(割合)】 【(表2)相談で提供した情報の内容(単位:件)】 相談を受けて紹介した支援機器や用具は、拡大読書器が18.0(前年17.2)%、携帯端末・アプリが18.0(前年19.4)%、白杖が13.0(前年13.5)%でした。(図5) 支援機器・用具それぞれの紹介件数は表3をご参照ください。 【(図5)紹介した支援機器・用具(割合)】 【(図6)紹介した支援機関・団体(割合)】 相談者は支援機関や団体につながることでご自宅に戻られてからもお住いの地域で必要な支援やサービスを継続して受けることが可能となります。 神戸アイセンターでは神戸市にお住まいの方には神戸アイライト協会、神戸市以外の兵庫県にお住まいの方には兵庫県視覚障害者福祉協会や日本ライトハウスを紹介することが多くなっています。(表4) また、全国から来られる患者さんに対しては各都府県の眼科医会が中心となって発行しているスマートサイトをお渡しして、必ず居住地の支援機関につながるように情報提供を行いました。 スマートサイトは各都府県で内容は異なりますが相談窓口が記載されており、この情報をきっかけに、必要な支援・サービスを受けることができると考えます。 【(表3)紹介した支援機器・用具(単位:件)】 【(表4)紹介した支援機関・団体(件数)】 また、アウトリーチ活動として支援機関や団体がビジョンパークで直接相談を受けつける相談コーナーは12機関・団体が計302回開設しました。(表5)。 相談コーナーの開設回数は前年の289回から約16%減の243回となっていますが、支援機関に出向くことに抵抗のある患者さんやわざわざ行くのは面倒だという方には神戸アイセンター病院の行き帰りに相談できる手軽さが喜ばれています。 【(表5)支援協力機関・団体と相談コーナー開設数(回)】 相談の一部という位置づけでロービジョン外来の問診を事前に電話で行いました。 ロービジョン外来を予約されている患者さんの中で、神戸アイセンター病院の視能訓練士さんからご依頼を受けた方に診察の約1週間前にご使用の機器や補装具、ご要望、お困りのことなどをお聞きするもので、依頼数123名に対して問診を行った方は70名、電話がつながらない、予約をキャンセルされた方が53名でした。(表6) この問診はロービジョン外来での困りごとやニーズの聞き取り時間の短縮につながっているだけでなく、本業務を行う視覚に障害のある職員は神戸市が奨励する障害者の超短時間雇用での採用であり、障害者雇用の促進にもつながっています。 【(表6)ロービジョン外来電話による問診数(単位:人)】 (総評) NEXT VISIONは眼のワンストップセンターである神戸アイセンターを構成する一機関として、病気の治癒を目指す最先端の医療(cure)と同じレベルで、すべての人が自律して自身の人生を自らの意思で選択できることを目指す支援(care)を重要と考えます。 視覚障害の有無に関係なく、すべての方が知りたいと思う情報、知って欲しい情報を必要なタイミングでお知らせすることが情報障害者をなくすことにつながると考えており、今後も情報提供の促進に努めます。 視覚障害に対する理解を深め、誰もが暮らしやすい街づくりにつなげるために、今後もさまざまな方法で相談支援業務の充実を図ります。 (4)研究開発事業 情報化社会が進む中で見えない・見えにくい方の生活・就労支援に寄与する最新テクノロジーに関する研究開発を行い、その成果を社会還元することにより、見えない・見えにくい方の社会復帰・社会戦力化支援に資することを目的とします。 1)視野障害を有する者に対する高度運転支援システムに関する研究 本事業は、COI-NEXT(研究代表:東北大学眼科)による研究費助成事業の一環として行われているものです。眼球運動計測システムの一部を成す暗室で基礎実験を行なっておりますが、立命館大学での倫理審査が不調で、実際のデータ収集には至っておりません。 一方、同研究内の事業としてドライビングシミュレータの普及を目指す一般社団法人Vision& Mobilityの設立準備が行われています。 (総評) 直接の当法人事業ではありませんが、関連業務として協力して参ります。 2.視覚障害者に対する間接支援事業(公益目的事業②) (1)コンテスト事業 1)isee! “Working Awards”2025 「isee! “Working Awards”」は、「就労」に焦点をあて、視覚障害者(見えない、見えにくい人)がどのように働いているのか【事例】、また、どうすれば働けるのか、あるいはどんな働き方ができるか【アイデア】を募集しました。 応募された【事例】と【アイデア】を審査員に選んでいただき、広く社会に発信することで、視覚障害者の社会参加、就労、ひいては社会の戦力として働き、社会の損失を軽減させることを目的としており、今回は下記の通り、開催しました。 日時:2025/2/23(⽇)14:30〜17:00 場所:灘五郷酒所 神戸市東灘区御影本町3-11-2剣菱酒造内蔵 共催:東北大学COI-NEXT:「みえる」 からはじまる、人のつながりと自己実現を支える エンパワーメント社会共創拠点、立命館大学、公益社団法人NEXT VISION 後援:公益社団法人日本眼科医会 参加人数:会場34人、オンライン75人 合計109人 ●isee! “Working Awards” 2025 受賞者 ※敬称略 【事例部門】 MEP(Most Effort Player)賞・日本眼科医会賞  片岡 亮太 人生を丸ごと生かした「自分だからこそ」の働き方 MIP(Most Inclusive Player)賞  白井 崇陽 全盲バイオリニストの演奏活動について MIP(Most Inclusive Player)賞  髙野 紋子 専業主婦、競技経験ゼロからのアスリート雇用 MSP(Most Strength Player)賞  田中 康文 漢方内科の医師 MSP(Most Strength Player)賞  NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ 視覚障害者による珈琲焙煎「僕らは耳で焙煎をする。」 入選 中嶋 琢 【企業ボランティア】社員×地域×社会貢献: アクセシビリティ向上の取り組み 鈴木 モーリッツ  PC操作時における補助機器としてのMIDIコントローラーの利用 八巻 真哉 チームワーク、テクノロジーが生み出したスーパースペシャリスト 竹田 幸代  タンデム自転車で人の環広げるプロジェクト 相沢 浩貴  徐々に希望は挑戦 Most Inclusive Player賞(周囲の協力を活用した事例) Most Strength Player賞(経験を強みとした事例) Most Effort Player賞(継続的な努力を重ねた事例) 【アイデア部門】 ビジネスプラン賞  NPO法人みのり 領家グリーンゲイブルズ 視覚障害者向け、珈琲焙煎・バリスタ・アロマテラピーの宿泊型の研修施設を作る 価値転換賞・日本眼科医会賞  南部 勇樹 高度なスキルを持つスペシャリスト障害者雇用の創出とマッチング 環境整備賞  山内 敦 ロービジョンコンシェルジュ ~「福祉の見える化」を目指した資格制度~ 入選 村上 友香 喋る自動販売機 田中 望美 VTuberの動画配信による広告収入・投げ銭制度 泊 菜央 美味しさ探求 川東 勇輝 「音」を仕事に。 武田 果歩 災害時の自動音声案内 中島 香鈴 AI知能向上のために 窪田 葵 繊細な音を聞き分ける点検のお仕事 佐堀 友香 第六感を使った職業~ヒーリングで人に癒しを~ 林 茉友 視覚障害者がプロデュースする睡眠環境 宮﨑 愛理 視覚障害者用の便利グッズ 実演販売 竹内 美羽 視覚障がい者でも使える自動精算機 高川 鮎美 触れるだけで新しい物に出会うことが出来る 山西 浩平 点字の学びやすい環境作り 山田 美典 ラジオパーソナリティ 小川 琴乃 視覚障がい者の職業について 小川 遥叶 味覚と嗅覚のプロフェッショナル 大石 桃華 声で役に立つ ●公開コンサルティング ※敬称略 ゲスト:剣菱酒蔵株式会社 代表取締役社長 白樫政孝     参天製薬株式会社 アブディン・モハメド  【写真:受賞者・審査員集合写真】 【写真:受賞者集合写真】 (総評) 本事業は東北大学COI-NEXT:「みえる」からはじまる、人のつながりと自己実現を支える エンパワーメント社会共創拠点事業として共催事業となっており、「できない」を「できる」にする仕組み作りのひとつです。就労事例を収集するだけでなく、新たな視点で職業・職域を開拓することが可能な事業として、本事業を通じて収集した就労事例やアイデアはプロジェクトに参画する企業の事業につながる可能性があります。 特に、2024年4月に障害者差別解消法が改正され、企業にも合理的配慮が義務化されたことを受け、視覚障害者にも関わる部分があることから合理的配慮に関する公開コンサルティングを開催しました。事前の質問や意見は65件で想定していた企業からだけでなく視覚障害当事者からの意見が約8割であったことから、合理的配慮の理解・定着が困難であることが垣間見えたと言えます。合理的配慮が義務化されたとはいえ、まだ企業側に認知されておらず、また、合理的配慮を求められる機会も少ないのではないかと思われます。社会生活を送る上で合理的配慮は必要不可欠であり、企業と当事者が相談・調整するために、今後も啓発活動を行う必要があると考えます。 2)サンキューカードを使った周知啓発  見えない、見えにくい方の移動を多角的に支援するために正しいガイドの仕方を一般の方に周知するとともに、一人でも多く就労・就学で困っている視覚に障害のある方を見つけることを目的に配布しました。また、視覚に障害のある方を見つけ、必要な情報・支援につなげる活動を見えない、見えにくい視覚に障害のある方にお手伝いいただくことで活躍の場を広げる効果もあります。 【カード画像:おもて面・裏面】 配布する地域は視覚障害者の活動地域となるため全国であり、昨年度に引き続き、団体等を通じて配布したほか、個人でご希望の方には郵送にて配布しました。 また、東北大学COI-NEXT「みえる」からはじまる、人のつながりと自己実現を支えるエンパワメント社会共創拠点を通じて配布を行いました。 (総評) カードを受け取った一般の方にとっては、視覚障害者への声のかけ方や手引きの仕方を知る機会となり、社会貢献の一助となる可能性が生まれたと考えます。 一方で、配布する側にとっては渡すタイミングが難しく、受け取る側がコロナ禍以降、直接手渡しする物に対しての抵抗感が残っていることもあり、配布枚数が減少傾向にあります。 次年度はサンキューカードをカードという形態ではなく別の形にするなど検討する必要があると考えています。 (2)講演・セミナー事業  1)被災視覚障害者支援・避難所疑似体験セミナー 2回計画したうち、11月の回はこれまでと同様にビジョンパークを避難所に見立てて、スマートフォンのアプリを使っての移動(ナビタグ)、掲示物の判別の体験、さらに簡易トイレの設営や非常食の調理および手回し式の充電器の体験、遠隔音声ガイド(アイコサポート)の体験を行いました。一方、2月の回は、これまでとは異なり、オンラインで、支援者を対象とした避難所体験運営者養成セミナーとして開催しました。11月には2名、11月には2団体(沖縄、千葉)の参加者がありました。 (総評) 神戸だけで行なっていても、一度に体験できる人数には限りがあり、応募者が非常に少ないため、全国的な展開が困難です。しかし、社会的な意義は極めて大きく、他の事業体へも拡散できるような試みを行いました。今後もこの路線を踏襲し、全国に広げていくことを目指します。 2)ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート行間セミナー 本年度は改訂された「ポイントマスター!ロービジョンケア外来ノート第二版」をテキストとした有料webセミナーを6月から3月までの毎月1回、各章ごとの執筆者による講義を行いました。 (総評) 今回で5年目となる有料セミナーです。書籍の改訂により、再びベーシックな内容となったためか、参加数は伸びませんでしたが、講演内容が充実し、資料としての質が高かったと感じます。次年度は、外部講師を多数招聘して、広がりのある内容で行う予定です。また、これまでの講演を文字起こしし、AI相談の元情報として使用できるように準備する予定です。 3)ロービジョン支援ホームページの運用 COI-NEXTの研究費助成を活用して、NEXT VISIONのサーバー上に移設したロービジョンケアの用語説明と施設リンクを目的としたホームページ(https://nextvision.or.jp/shikakuriha/)を維持運営しました。リンクされた施設情報の更新を随時行いました。 予定した動画コンテンツへのリンクは準備のレベルです。 (総評) 安定したホームページ運用ができています。今後も、動画をコンテンツとし、そこへのリンクを豊富に持つページに進化する方向で努めていく予定です。 4)日本眼科医会連携 地方においては視覚障害者が最初に受診する可能性が高いのは地域の眼科クリニックであり、全国の眼科クリニックの開業医が所属する日本眼科医会と連携しました。引き続きisee! “Working Awards”での眼科医会賞や日本眼科医会HPとの連携などを通して開業医の眼科医への情報発信を継続予定です。 (総評) 視覚障害者の最初のアクセス先である眼科の開業医が所属する日本眼科医会との連携は、視覚障害者を情報障害に陥らせないためにも大きな意義があります。引き続きさまざまな文脈で連携を深める予定です。 5)視覚障害者体験VR研修 視覚障害者が周囲の人に自分が視覚障害者であり困難さを的確に伝えられない背景には、視覚障害の種類や困難さの多様性を周囲のメンバーが認識しにくい背景があります。VRを利用した教育コンテンツでは1人称で困難さを理解することができるため、支援者教育の強力なコンテンツとなり得るため、VRコンテンツの開発の指導を行い、教育ソフトを開発しました。 (総評) 今後は研修ツールとして実践活用予定です。2024年4月からは民間企業でも合理的配慮の提供が義務化しており、社会的な話題性も高まっており今後本研修の社会的意義はより高まると感じています。 (3)支援者向け体験事業 1)ウェルビーイングな社会実現への手法を学ぶ 豊かに生きるための知識と習慣の処方箋として、人生100年時代を人が健やかに生きるため、心と体がウェルビーイング(ご機嫌)になるための考え方や行動習慣などをウェルビーイングを実践する専門家に学び、対話を通して学ぶイベントを2022年に実施しました。2022年のイベントで得られた知見を通して、平和な並話という対話法やルール作りを通してウェルビーイングのさらなる言語化を図る予定です。 (総評) これまでに構築した医療、教育、福祉の領域をこえたつながりとウェルビーイングの言語化を今後の施策の上位目標として掲げ、哲学対話を進めていく予定です。 2)TEAM EXPO2025 共創チャレンジ企画 ナビゲーション・タグ(ナビタグ)で未来を変えるプロジェクト ナビゲーション・タグ(ナビタグ)は、点字ブロックに情報を付加する二次元コードとスマホ用アプリを使ったシステムで、今年度は大阪・関西万博会場への敷設と広域利用を目指して、神戸(三ノ宮駅周辺)への敷設準備を行いました。 なお、大阪・関西万博会場にはshikAI(シカイ)とNaviLens(ナビレンス)の2種類、神戸(三ノ宮駅周辺)にはshikAI(シカイ)とNaviLens(ナビレンス)に加えてコード化点字ブロックを敷設する予定で、これが実現すれば世界初の複数のナビタグ敷設による実証実験となります。ナビタグを組み合わせて使用することで、それぞれのタグが持つ長所・短所を補完しあう、あるいは、効果を増強するための知見を得られる可能性があり、今後の普及・販売活動における重要な知見となりうると考えています。 大阪・関西万博会場での敷設は世界へ普及させる足掛かりとして、重要な契機となるはずで、敷設時の設置規格を統一することで使いやすくなるように、ガイドラインを作成し、誰もが参考にできるように公開しました。特に、大阪・関西万博会場への敷設にあたり、トイレ案内を重点的に調整・検証しました。 ■旅客施設におけるナビゲーションタグ設置ガイドライン https://nextvision.or.jp/isee/navitag-project/ また、ナビタグがどこにあるかわからないと使用できないというユーザーからの声を受け、どこで何を使用できるかをGoogleマップで閲覧できるように情報を公開しました。今後はナビタグ敷設者が設置時に随時登録を行うことになっています。 ■ナビタグMAP https://www.google.com/maps/d/u/0/edit?mid=1vnx_Wt0k1kvoaw3E6LoGY098KXS4aNA&ll=34.62946981731832%2C135.34555135&z=11 (総評) 今後は、鉄道駅バリアフリー料金制度での敷設を実現するために、国交省所管のバリアフリーガイドラインにナビタグおよび旅客施設におけるナビタグ設置ガイドラインが採用されることが必至であり、今後のナビタグ普及拡大の鍵になると考えています。そのため、関係機関に働きかけを行います。 また、視覚に障害のある方だけでなく、一般市民にもナビタグ使ってもらい、便利さを実感していただけるように普及を進める必要があり、2025年に開催される大阪・関西万博会場での利用促進、メディアへ働きかけなど広報活動を積極的に行う予定です。 (4)出版事業 1)「プライベートあい~名探偵になってあげないゾ!~」出版プロジェクト 小説あるいは漫画といった親しみやすい形で等身大の当事者を多くの人に感じてもらい、当事者の方には「視覚障害者だからこそ優れている能力がある」というバリアバリューに気づいてもらうことを目的として、出版事業に取り組みました。 しかし、出版社や広告代理店等に持ち込みましたが、実現には至っておらず、次年度以降も相談・交渉を重ねます。 3.収益事業 (1)ビジョンパークを活かした情報発信 今年度は1.視覚障害者に対する直接支援事業(公益目的事業①) (2)当事者向け体験事業 2)クライミング で報告したように新しいクライミングの実施形態として、アクティブエリアを有料で貸し出し、一般企業との交流を図りました。 (2)共同研究 テーマ:「ウェルビーイングを実現する未来型医療とケアの研究」 株式会社日立製作所様とNEXT VISIONは、人生100年時代に向けて、一人ひとりが自律し選択できる医療、そして持続可能で全人的な医療、「ウェルビーイングを実現する未来型医療とケア」をめざすためのヒントを様々なゲストとの対話を通して探ってきました。 今回、「人生の意味を探る対話」第5弾として、下記のとおりトークイベントを開催しました。 「人生の意味を探る対話Part5」 開催日時:2025/2/15(土)18:00~19:30 開催形式:オンライン開催(神戸アイセンター・ビジョンパークよりライブ配信) 参加人数:350人 内容:「人生の意味を探る対話 Part5」では、ビジョンパークに人類学者の竹倉史人さんをお迎えし、私たちが世界をどのように認知し、生きる力へと変えているのか、人類の精神史と知の営みを俯瞰しながら、多様な視点からこれからの医療について語り合いました。 パネリストには、日立製作所様からは研究開発グループ技師長 兼 基礎研究センタ 日立神戸ラボ長の武田志津さん、神戸アイセンターから髙橋政代、仲泊聡、三宅琢、和田浩一が登壇しました。 また、日立製作所の沖田京子さんにモデレーターを務めていただきました。 (総評) NEXT VISIONは病気の治癒を目指す最先端の医療(cure)と同じレベルで、すべての人が自律して自身の人生を自らの意思で選択できることを目指す支援(care)を重要と考えていますが、医療は新たな展望を拓きつつあります。本トークイベントでは今、医療がどうあるべきかを問い、考える機会となりました。特に人類学者の竹倉史人さんの人類の精神史、知の営みを通した生命観、ご自身の体験についてのお話は世界の認知や自然の感覚、生きる力について新たな知見となりました。 一人ひとりがそれぞれのウェルビーイングを実現するための全人的でインクルーシブな医療をめざす神戸アイセンターにおいて、ビジョンパークはそのプラットフォームとしての役割を果たし、社会全体のウェルビーイングにもつながるようなビジョンを発信していきたいと考えます。 4.法人会計 (1)みんなで作るビジョンパーク会議 今年度は寄附、賛助会員、協賛パートナーのみなさまのご支援への感謝の気持ちを込めて下記の通り、大感謝祭を開催しました。 日時:2024/12/8(日)11:00~12:30 ●開催方法:オンライン(zoom) ●内容:代表理事仲泊聡よりご挨拶     常務理事和田浩一より活動報告     スペシャルトーク(司会:副理事長三宅琢)     「NEXT VISION10周年 歩みと展望」     設立から10年を迎えたNEXT VISIONのこれまでの歩みと     今後の展望について (総評) 寄附者、賛助会員、協賛企業の方々に報告書をお送りし、NEXT VISIONで実施している事業、活動内容を報告すると共にNEXT VISIONの活動やビジョンパークの役割を説明し、継続的にご支援をいただけるよう情報発信を行いました。今後も継続したご支援をいただくことで、法人の運営を安定させ、より多くの視覚に障害のある方と情報を必要とするすべての方への支援活動を行いたいと思います。 31ページ Ⅱ.法人運営 1.理事会 第27回 令和6年6月26日 議題  1.令和5年度の事業報告及び計算書類の承認 2.理事の任期満了に伴う後任者選任 3.社員総会の招集と議案 第28回 令和6年6月26日 議題 1.理事長(代表理事)選定 第29回 令和6年7月16日 議題 1.利益相反取引に関する承認     第30回 令和7年3月7日 議題 1.令和7年度の事業計画及び収支予算・資金調達及び設備投資の見込を   記載した書類の承認 2.出張旅費・交通費規程改定 3.職務発明規程制定 4.社員総会の招集と議案 2.社員総会 第23回 令和6年6月26日 議題   1.令和5年度の事業報告及び計算書類の承認  2.理事の任期満了に伴う後任者選任 4.役員報酬規程の改定承認 第24回 令和7年3月7日 議題  1.令和7年度の事業計画及び収支予算・資金調達及び設備投資の見込を   記載した書類の承認 32ページ 令和6年度 決算書(令和6年4月1日〜令和7年3月31日) 【表:賃借対象表 令和7年3月31日現在】 【表:正味財産増減計画書 令和6年4月1日から令和7年3月31日まで】 【表:正味財産増減計画書内訳表 令和6年4月1日から令和7年3月31日まで】 36ページ ご支援・ご共感くださる皆さまへ 髙橋 政代 公益社団法人NEXT VISION 理事 ビジョンケアグループ 代表 私たちはこれまで、「見えにくさ」を抱える方々が、自らの意思で行動を選択し、安心して暮らせる社会の実現を目指して活動してきました。この取り組みは、単に支援を届けるという一方向のものではなく、当事者とともに社会のあり方そのものを問い直す360度に展開するものです。 いま、医療や治療開発の分野でもパターナリズムを脱して「PPI(Patient and Public Involvement)」―すなわち、患者や市民の視点を研究や制度設計の初期段階から取り入れることの重要性が、国際的に広く認識されつつあります。科学技術がどれほど進歩しても、その成果が本当に意味を持つのは、当事者の声が反映された形で社会実装されたときです。 そのためには、情報が一部の専門家のものにとどまらず、必要とする人すべてに届き、正しく理解される環境づくりが必要です。私たち自身も「伝える努力」を続ける一方で、患者さんや市民の皆さんと共に学び合い、医療や制度に主体的に関わるためのリテラシーを育んでいくことも、これからの重要なテーマだと考えています。 NEXT VISIONは、視覚に困難を抱える方々のリアルな声を起点に、企業・行政・研究者と手を取り合い、インクルーシブな社会の仕組みづくりに挑んでいます。社会の側にある「見えにくさ」―制度や意識のバリアにも光をあて、少しずつですが変化を生み出してきました。 今後さらに、医療と社会の境界が曖昧になり、AIやバイオテクノロジーが日常に深く関わるようになる中で、インクルージョンの視点は、これまで以上に重要になります。NEXT VISIONは、皆さまと共に考え、共につくる仲間として、これからも歩みを進めていきます。 裏表紙 Thank you for your support yo NEXT VISION 【画像:黒田冨紀子「いろいろな世界」 油彩2017年】