1. 神戸市電子図書館について

  • 電子図書として世の中に出回っているのはコミックが多い。
  • 電子図書館用に販売されている電子図書は通常の図書と違う。アクセス権を購入するが本の値段も高い。価格は通常の書籍の1.5~2倍くらい。貸出回数上限52回、または2年経過するとアクセス権の再購入が必要となる。
  • 神戸市では平成30年からテストスタートし、今年(1/5)から日本語での読み上げをたくさんするシステム(運営会社)に変更して本格稼働。
  • まず、自治体の図書館に利用登録(図書館カード発行)することで、IDとパスワードが発行され電子図書館を利用できるようになる。
  • 紙の書籍だと図書館へ出向いて貸し借りが必要だが電子書籍は家にいながらにして貸し借りができる。返却も期限が来たら自動返却されるので返却を忘れることがない。
  • 図書館から遠いところに住んでいる人や小さな子供がいる人も図書館に行かなくてよい。
  • 見えない、見えにくい人の利用も便利。
  • 電子書籍の購入にお金がかかることもあり、図書館を運営する上で紙の書籍と電子書籍のバランスが難しい。
  • 一般向けの電子書籍と違って図書館向けの電子書籍は種類が少ない。魅力ある電子図書館づくりがこれからの課題

 

2. 電子図書館について

  • コロナ禍で電子図書館の利用が増えている。
  • 全国に約1,300の図書館があるが、そのうち約170の自治体で電子図書館が採用されている。うち100は今年度の契約なので電子図書館はどんどん増えていると言える。兵庫県は導入率が高い!

 

3. 電子図書館の利用方法(図書館流通センターのシステムの場合)

    • ウェブサイトの電子図書館から利用者IDを使って入り、「借りる」、「予約」をクリックする。
    • 書籍は特集、テーマ別など興味がある本を選べるようになっている。
    • 検索→詳細→音声読み上げで選べる。
    • 画面右上にしおりがある。
    • 画面左にあるビューアの中のリーダー設定で見え方を変更できる。文字の大きさ、色反転など。
    • 画面左下のSPEAKボタンを押すと読み上げ開始(機械音声読み上げ)
      速度は0.75~4まで設定可能。読み上げる声は男女選択可能。
    • 視覚障害のある方にはスクリーンリーダーを使って操作できるようになっている。
      マウスなしでOK。キーボードで操作可能。
      再生・停止・ページ送り・ページ戻し・ちょい送り・目次など。本の中身を読むのはビューアーで。

     

    4. 質疑応答

    • Q 神戸市在住、在勤の方しか利用できないか?
    • A 図書館カードを持っている人ならだれでも利用可能。
      神戸市の場合は、神戸市内に在学・在勤・在住の方と近隣都市(西宮・芦屋・宝塚・三田・明石・あわじ市)の方が利用できる。
    • Q ビューア―に専用のものが必要か?
    • A ブラウザ利用。専用ビューアーが立ちあがるのでEdge、IE、Google Chromeなど準備の必要はない。テキストデータを機械が読み上げるので読み間違いがある。今後のAIに進化に期待。辞書機能で読みを登録できるのでこの読み方しかしないというものは順次登録を進めている。
    • Q コミックは読み上げるか?
    • A 読み上げない。
      リフロータイプであれば読み上げるが、コミックはFIXタイプなので読み上げない。
    • Q どの自治体が電子図書のサービスを提供しているか?
    • A 各自治体の図書館に問い合わせるのがよい。
      横浜市は今月導入予定。図書館流通センターのHPで情報を掲載している。
      ただし、電子図書館を運営する事業所は他にもあるので音声読み上げのサービスを行っていない場合もある。
    • Q 電子書籍化のリクエストはできるか?
    • A 図書館向けの電子書籍は特別な許諾が必要なのでAmazonなどと連動しない。
      利用者が出版社に直接リクエストするのが良い。
    • Q 神戸市電子図書館の蔵書数は?
    • A 約4,000タイトル、うち読み上げ対応の電子書籍は1863タイトル。
    • Q 一つの電子書籍を一度に2人が借りられるか?
    • A 契約しているライセンス数による。1ライセンスにつき1人が借りられる。
    • Q 視覚障害者向けに別アカウント枠はあるか?
    • A 今のところない。
    • Q 利用にあたっての講習会を開く予定はあるか?
    • A 今のところない。今後、神戸市立点字図書館とも連携して一緒に開催したい。
    • Q サピエを利用しているが電子図書館との違いは?
    • A 点字図書館の音声図書は人が読み上げている録音図書。人が読み、チェックを重ねているので誤読がない。しかし、作成に時間がかかる。
    • Q 電子書籍の導入は図書館の省スペースになるか?
    • A 蔵書をなくすわけではないので、あまり関係ない。ガイドブックなど使用期限があり、常に最新のものが必要な場合は電子書籍を使うなど使い分けるのがよいと考えている。
    • Q 蔵書数は?
    • A 蔵書数は自治体によってまちまち。予算による。
    • Q 絵本など絵や図がある場合は読み上げるのか?
    • A ものによっては図や絵がある電子書籍もあるが、音声読み上げは文字のものが対象になっている。絵や図は読み上げがない。パソコン画面で拡大して見ることはできる。
      点字図書館の書籍は絵・図の説明も入っている。
    • Q 電子図書館で採用されやすい書籍の傾向は?
    • A 需要が高いものやガイドブックなど新しい情報が必要なもの。
    • Q 子供向けの書籍はあるか?
    • A ある。読み聞かせる音声に合わせて絵が動く絵本もある。
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