公共図書館における障害者サービスに携わる意義

 図書館に視覚障害当事者職員がいることにより、専門的知識を有する音訳協力者と相談しながら、聴いてわかりやすい録音図書を作成できたり、でいじー再生機器の説明を電話で細かく伝えたりできるなど、サービス向上に大きな戦力となります。
 デイジー再生機器(プレクストーク)は電化製品でなく、量販店では購入できないこと。日常生活用具制度での補助もあることまで案内する必要がありますが、視覚障害者がいると、きめ細やかな対応が可能となります。
 サピエ図書館には個人登録ができることなどや、近隣での福祉機器展、イベント情報、各種団体情報提供など直接は図書館に関わらない周辺情報も含めて情報提供できることの意義は大きいといえます。

審査員コメント

 視覚障害者が公共図書館で働くことは、その障害者自身の自己実現ができるだけでなく、地域の住民や図書館にかかわるボランティアなどにとっても大きなメリットとなるのだと改めて気づかされました。視覚障害者や高齢者の知る権利の保障やQOLの向上のため、公共図書館における視覚障害者の雇用がさらに進むことを期待したいと思います。

プロフィール

 

大川 和彦
公務員 千葉市中央図書館勤務

1998年より千葉市職員。日本図書館協会障害者サービス委員。
なごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会会員)
視覚障害にまつわることを自由に発信し交流する馬場村塾塾長。

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