ガム配りからの人生
~医療、福祉、教育、接客から生まれたヒューマンエンジニア~

 21年前、医学部で学ぶ若者が次第に失う光を仲間と共に多彩な職種、経験、弱みを強さに変えてエンジニアになった物語。視野、視力の変化と共に職種をアップデート。医学部で学び、失っていくことを知っている私だからこそ、ALS、筋ジストロフィーと共に生きる方をサポート。夢であった細菌学研究者として臨床検査センターに属し、視力が懸念であるからこそ、患者のデータを迅速コンタミネーションが起きないシステムを考案。昼は検査センター、夜は泊まり込みで神経難病と共にある患者様と生きることを学んだ。進行し文字が微かに見える頃、高等学校にて医師、看護師を目指す専門教員となる。さらに、重度弱視となり、障害を親子に前向きに伝え、タブレットをを併用し、医学部向け小論文、英語、数学、理科、国語、面接、公民と幅広く言葉と耳で指導。晩期、精神保健福祉センターで、精神疾患、引きこもり、保護観察の下にある方の生活指導員とし精神医学を探求。結びに、経験を活かし大学研究所メンターの後、エンジニアとし障害特性がある全ての方を支援。

審査員コメント

 これまでの道のりを思うと、言葉がありません。困難な状況に正面からぶつかって、その度にもがき、その度に切り開いて、その全ての経験を糧に今独自のお取り組み(ヒューマンンエンジニア)をされておられる八巻さんに心から敬意を表します。「情熱を持ち続けるために楽しいことをたくさんやって」との言葉は、障がいの有無にかかわらず、全てのヒューマンへのエールであり、愛にあふれています。

プロフィール

 

八巻 真哉
民間企業、大学病院ロービジョンケア、教育機関にてアドバイザーを務める。国立大学医学部在学中に網膜症と自ら発見、時代や社会に翻弄され就職できず、ガムやティッシュ配り、ファッションモデル、エッセイスト、中古車洗車係、ホストクラブなど100以上の職を経験。公園暮らしの日々から夢を追いかけ父になる。

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