どうして就労を継続できたのだろうか。―RP患者としての企業人生36年―

 私は、人材育成業務を継続して担当させていただけています。どうして私は働き続けてくることができたのでしょうか。振り返り気づいた思いがあります。
 私は以下の事項を実践できたと思います。
ひとつに、常に向上心を持って、知識・教養を習得し続けることです。ふたつめは、決してあきらめることなく、果敢に挑戦し続けることです。
 ただ、これだけでは私は継続して働き続けることはできなかったと思います。
 私が実践できた仕事の中で、就労の継続に最も有効だったと思えることがあります。
 自己認識の転換です。表舞台から潔く降りる。後輩や部下だった方々のフォロワーに徹する。私が培ってきた知識、経験、ナレッジについては、私の生活を支えてくれた企業に恩返しする。仲間のために働く。仲間の役に立てる人材になるよう日々の仕事に取り組む。こうして、素直に他人様と向き合い、信頼関係を継続してきていることが、私が就労を継続してくることができた最大の理由であると思います。

審査員コメント

 眼の病気の進行と向き合いながら36年の長きにわたり就労を継続し、人材育成をはじめ様々な業務を担当してこられました。「常に向上心を持って、知識・教養を習得し続けること、決してあきらめることなく、果敢に挑戦し続けること」との言葉は、疲れて弱音を吐きそうになる心にエールとして響きます。また「人は財」として育成計画のもとに人材育成の専門家としての成長を支援してこられた職場の取り組みにも拍手を送ります。

プロフィール

 

杉田 啓之
1961年仙台市生まれ。満60歳。1985年日本通運株式会社に入社。2020年4月から株式会社NX総合研究所で勤務。NXグループの人材育成のサポート業務を担当中。身体障碍1級。東京都在住。日本盲導犬協会の盲導犬ユーザー。パートナー名はプラム。

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