視覚障害者が建物をチェックする「isee!運動認定建築物」を導入。

 住宅メーカーや商業施設運営会社と連携して、既存の建築物を視覚障害者に利用してもらい、視覚障害者から見た建物の課題を見える化。企業に対して、例えば、目的地に移動するためのルート設計や点字ブロックの配置、障害物の有無などについてコンサルティングを行います。そして、視覚障害者が利用しやすい建物であると認定すれば、「isee!運動認定建築物(仮称)」としてisee!運動のロゴマークや意匠などを提供します。住宅メーカーは、見える化された課題を、今後の新規建築物に反映でき、ブランドイメージを高めることもできるでしょう。
 この取り組みによる視覚障害者のメリットは、活動を行う団体を設立し、調査を行う視覚障害者を雇用でき、報酬を与えることができること。さらに、視覚障害者が生活しやすい住環境を社会に広められることです。
 将来的には、クライアントの間口を広げ、県や市など自治体と提携し、ダイバーシティブランドを開発したり、駅や道路などの公共事業とすることで、視覚障害者の雇用を増やすことができます。さらに、世界には視覚障害者が2億人以上いると言われています。世界レベルで考えれば、視覚障害者の知見やノウハウには大きな市場価値があるはず。海外への進出も見据えた取り組みになればと思います。

審査員コメント

視覚障害者の立場で利用しやすい建物を検証し、建築設計者に提言するという発想に共感しました。廊下や階段、男女トイレを判別しやすい配色にするなど工夫の余地はたくさんありそうです。また、ボランティアとしてではなく、“専門家”としてアドバイスすることに新しい価値が生まれる可能性を感じました。

プロフィール

 

萬亀 信弘(代表)
佛教大学卒業。広告代理店で営業職を担当。isee! "Working Awards"を知り、自分も活動の力になりたいとアイデア部門に応募。コピーライター養成講座に通い、ピンクリボンデザイン大賞コピーの部入選。趣味は剣道。

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