視覚障害者たちで運営する子育て支援ホットライン

 大学で教育や福祉関係の資格を取得した視覚障害者は多いですが、それを仕事に生かせている人は僅かなように感じます。
 保護者の話を聞いて、専門的知識を提供することであれば、視覚障害者でもできるはずです。福祉や教育についての専門的知識を持つ視覚障害者らがその知識や経験を生かせる場があれば、視覚障害者の職域は広がるのではないかと考えます。
 障害当事者が相談業務に関わることで、障害児の親御さんも、相談しやすくなるのではないでしょうか。なぜなら、日本の子育て支援は、基本的に健常の子どもに合わせて作られているからです。その中で、提携発達の枠に収まらないことを気にしている保護者もたくさんいると聞きます。
 ズーム等を用いたオンラインでの相談を行えば、双方に移動の負担が無くなります。また、必要に応じて相談者の家庭に出向いて、情報を提供することもできるでしょう。発達段階に合わせた離乳食の作り方の提案、子供の発達や興味に合わせた遊びの提案など、個々に合わせて多岐にわたる支援が行いやすくなると考えます。障害者も教育や福祉の現場であたりまえに活躍できる社会を実現させたいです。

審査員コメント

 障がいを持つ子供と共に家族への支援を視覚障がい者が行うという枠組み作りは重要且つ有用です。教育や福祉の専門知識を身につければ、視覚障害者でも育児の相談に乗れるという点がよいと思います。見守りと育児を分けて考えれば、見えなくても子育てにたくさん貢献できますね。

プロフィール

 

松本 葵
学生

高校生の頃から地域の読み聞かせボランティアに所属。大学で幼児教育を学び、幼稚園教諭一種免許状と保育士資格を取得。
障害児の放課後等デイサービスに勤務し、視覚障害児への点字やパソコン指導を担当した。現在も、新たな資格取得の傍ら、読み聞かせの活動を続けている。

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